▼書籍のご案内-序文

『中医皮膚科学』 凡例

 
凡 例


 ・本書は,『皮膚病中医診療学』(徐宜厚・王保方・張賽英編著,人民衛生出版社,1997)を原本としている。
 ・日本語版では,原本の各論の章立てを内容別に再編した。
 ・各論の雀卵斑・毛孔性苔癬・破傷風・熱傷の節,および附3「生薬一覧」は日本語版用に加筆した。
 ・各論中の「現代医学の概念」の項は日本語版用に加筆した。
 ・各論24章の生薬の説明に,薬効増強のための配合例などを日本語版用に加筆した。配合例の多くは『張志礼皮膚病臨床経験輯要』に拠っている。
 ・各論の「節」にあたる見出しでは,西洋医学的病名(別名)-[中医病名または中国語の病名]-英文またはラテン語の病名-(略語)の順に示した。
 ・本文中の〔 〕内および欄外の脚注は,村上元・田久和義隆によるものである。
 ・本文中の生薬名に*がついているものについては,附3「生薬一覧」に解説を掲載した。
 ・原著の誤植と思われる点については,第2版を参考に訂正したが,判断がつかなかったものについては脚注として残した。
 ・体穴については新表記を採用した。耳穴については原著に新旧名称が混在しているため,本書においてはそのまま表記した。なお,附4「耳穴分布図」は,『針灸学』第2版(人民衛生出版社,2012)を元に作成した。
 ・日本語版制作時の再編集・加筆および本書全体の翻訳のまとめは村上元が行った。
 ・各論は,村上元・田久和義隆・守屋和美・宮本雅子・赤本三不が分担して翻訳した。
 ・総論・各論第23章・各論の鍼灸に関する部分の翻訳は田久和義隆が担当した。
 ・外用療法の用語は,中国語をそのまま訳語としたものもあり,それらの意味を以下に示す。
  【外敷(がいふ)・調敷(ちょうふ)】新鮮な薬草を搗いて泥状にしたものや,乾燥した生薬の粉末を酒・蜂蜜・食酢で練ったものを患部に塗布する。
  【湿敷(しつふ)】生薬の煎液にガーゼを浸したものを患部に当てる。
  【敷貼(ふちょう)】滅菌ガーゼに軟膏を広げて患部に塗布する。生薬の粉末を軟膏の上に撒布することもある。
  【外摻(がいさん)】外用の粉末剤と軟膏を混ぜて瘡面を覆う方法。あらかじめ塗布した軟膏に後から粉末剤を加える方法と,軟膏に混ぜてから塗布する方法がある。黄連膏などが多用される。
  【外搽(がいた)】新鮮な植物の茎などに生薬の粉末をつけて,軽く擦りつけるように塗る。あるいは,生薬の粉末を油で丸状にしたものを薄手のラミー生地で包み,患部を軽く湿らせる。
  【搓(さ)】搓剤(薬粉を油脂で丸状にしたもの)を患部に手掌で擦りつける。
  【撲(ぼく)】軽くはたきつける。
  【浸泡(しんほう)】浸す。
  【外洗(がいせん)】洗浄する。
  【淋洗(りんせん)】薬液を繰り返しかけて洗う。
  【浸洗(しんせん)】患部を生薬の煎じ液に浸した後に洗浄する。
  【熏洗(くんせん)】患部または全身を薬液の蒸気で温め,その後に浸洗法を行う。