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▼『中医臨床』
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中医学的アプローチを把握して治療の幅をひろげる 【特集】コモンディジーズの中医治療 ―かぜ―
中医学では古代より「正気内にあれば,邪干すべからず」と,生体側の防御機能の充実を説くとともに,傷寒論や温病学に代表される外感熱病に対する治療経験が豊富にある。未病と已病の両面に対応できる点は,現代医学とは異なる大きな特徴であり,さらに医療経済の側面からも漢方の有用性は見逃せない。中国伝統医学においては,『傷寒論』を始めとして古くからかぜ症状に対する漢方の有用性が広く認識されているが,コロナ禍を経て,感染症法上の位置付けが5類に移行したいま,本特集では「かぜ症状を訴えて医療機関を訪れる患者」を想定し,COVID-19の初期症状を含め,主に急性上気道感染症(急性上気道炎)を対象に漢方・中医学で何ができるのかを紹介する。
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中医学的アプローチを把握して治療の幅をひろげる 【特集】コモンディジーズの中医治療 ―肥満―
肥満や肥満症はさまざまな健康障害の発症や増悪・進展の要因となることから,医学的な介入のみならず社会全体として取り組むべき課題となっている。治療においては食事・運動療法を中心としながら,薬物療法・外科療法・行動療法なども取り入れて減量に努め,健康障害やリスクの改善を目指す。もちろん中医学においても食事・運動療法が中心になることは言うまでもないが,中医学には現代医学とは異なる見方で肥満を捉えており,さらに漢方薬や鍼灸・中医学の運動等,独自の方法を用いることができる。また治療はもちろん治未病の考えをもつ中医学は予防の観点からも有用で,肥満に起因あるいは関連する健康障害を未然に防ぐうえでも役立つ。本特集では肥満に対する中医学の考え方や治療をはじめ,日本の臨床現場における実際の取り組みとして,クリニック・鍼灸院・漢方薬局の実際について症例を交えて紹介する。
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中医学的アプローチを把握して治療の幅をひろげる 【特集】コモンディジーズの中医治療 ―発熱―
発熱は臨床現場で最も頻度の高い主訴の1つで,その原因は多岐にわたる。中医学では発熱を大きく外感によるものと内傷によるものに分ける。外感によるものは,六淫外邪あるいは疫癘が肌表を襲い邪正闘争によって発熱が起こり,主に六経弁証や衛気営血弁証により鑑別・治療が進められる。一方,内傷によるものは,情志・飲食・疲労などの内因によって気血陰精の虧虚や臓腑機能の失調を招き引き起こされる。外感発熱は『傷寒論』や温病学を有する中医学が得意とする分野であるが,本特集では不明熱を始め,治療に難渋することが多い内傷発熱にスポットを当てた。とりわけ気虚・陰虚・陽虚の発熱とその治療には中医学のもつユニークな生理・病理観が反映されており,ぜひとも理解を深めておきたい。
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中医学的アプローチを把握して治療の幅をひろげる 【特集】コモンディジーズの中医治療 ―不安・抑うつ―
不安は広範囲で漠然とした恐れの感覚をいい,抑うつは,憂うつである・気分が落ち込んでいるといった心の状態をいう。不安ではパニック障害・社会不安障害・強迫性障害などの不安障害がみられたり,抑うつでは双極性障害・抑うつ障害,うつ病などの疾患が含まれ,臨床ではこれらを鑑別診断のうえ治療に取りかかることが重要となるが,中医学では西洋医学とは異なり身体と精神は一体のものと観ており,そのユニークな診方を知っておくことは精神疾患や心身症を診るうえで役立つ。
中医学では人の精神活動は五臓六腑が担っていると考えており,今回のテーマである不安や抑うつと特に関連が深いとされるのは心・肝・胆である。心は血脈を主り,神を蔵する。肝は疏泄を主り,血を蔵し,魂を蔵する。胆は決断を主る。これらの働きが失調すると不安や抑うつが生じるとされる。
本特集ではプライマリにおける不安・抑うつ症状の診方と臨床のすすめ方を始め,臨床のヒントになるポイントについて紹介する。
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中医学的アプローチを把握して治療の幅をひろげる 【特集】コモンディジーズの中医治療 ―発疹―
発疹は,中医学では皮膚科疾患を取り扱う中医外科学の範疇に含まれる。見た目でわかる皮膚病変を扱うため,発疹の色・大きさ・形・分布・性状等に着目した中医外科学特有の望診があり,それに主訴・経過・かゆみや痛みの有無・その他の自他覚症状を総合して弁証を行う。
特に中医学では「皮膚は内臓の鏡」といわれ,体内の気血津液・臓腑の変化が皮膚の状態を左右すると考えているため,整体観にもとづいて皮膚病変を理解し治療を行うことが重要となる。
本特集では皮膚科専門医からみた皮疹の漢方治療や,中医学における発疹に着目した弁証の進め方をはじめ,イボやアトピー性皮膚炎,コロナワクチン後遺症を疑う皮疹などの治療報告,薬局での応用などを紹介する。
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中医学的アプローチを把握して治療の幅をひろげる 【特集】コモンディジーズの中医治療 ―関節痛―
関節痛は内科診療においても遭遇することが多い。現代医学的な診断・治療は確立しており,プライマリケアでは的確に鑑別する力を身につけ,必要に応じて専門医に引き継ぐことが必要とされるが,依然として,西洋薬の効果が乏しい・副作用がある・西洋薬で効果が得られないケースがあり,そんなときに漢方や鍼灸の出番である。中医学において関節痛は痺証の範疇に含まれ,長期にわたって治療経験を積み重ねてきた歴史がある。
関節痛を起こす原因疾患は多岐に及ぶが,本特集では比較的漢方が用いられることの多い,変形性関節症(OA)と関節リウマチ(RA)に着目して企画した。現代医学的治療をベースに中医学や漢方・鍼灸の役割を紹介する。
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中医学的アプローチを把握して治療の幅をひろげる 【特集】コモンディジーズの中医治療 ―冷え症―
ICD- 11 に伝統医学の章が入り,その中で冷え症(寒証)のコードが振られているものの,一般に冷え症は西洋医学では疾患とは認められていない。
しかし臨床ではしばしばみられる症状の1つで,特に女性では冷えを訴える患者は多い。
現代医学では自律神経の乱れや血液循環の悪化などから説明されることがあるが,中医学では古くから冷え症を病態として捉え,治療の対象としてきた。
病態把握からその治療まで一貫しており,冷え症は中医学に優位性のある領域であろう。
本特集では,冷え症の弁証論治を解説するほか,冷えの病態理解で役立つ命門相火説や三焦説にも迫る。
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中医学的アプローチを把握して治療の幅をひろげる 【特集】コモンディジーズの中医治療 ―咳―
咳嗽は肺の症状であり病位は肺にあるが,特に慢性化した内傷咳嗽では各臓腑の失調が影響して発症することが多いため,肺を治療するだけでは不十分で,関連臓腑の失調も整えていかねばならない。
「五臓六腑は皆,人をして咳せしむ。独り肺のみに非ざるなり」
咳嗽治療の基本原則である『素問』咳論のこの一節を,いまいちどかみしめておきたい。
本特集では,現代医学における遷延性・慢性咳嗽の治療をふまえたうえで漢方や鍼灸の役割を明らかにし,特にプライマリーケアにおける漢方治療の進め方,日本で使いやすい弁証論治の提案,鍼灸治療の実際などについて紹介する。
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中医学的アプローチを把握して治療の幅をひろげる 【特集】コモンディジーズの中医治療 ―発汗障害―
発汗障害を生じる要因はさまざまであるため,やはり原因疾患の鑑別が重要となるが,西洋医学だけでは難渋したり改善しないケースもあり,漢方が活かせる局面もある。
中医学では「自汗・盗汗」の項目が設けられており,肺気不足,営衛不和,陰虚火旺,湿熱鬱蒸などの病態(証)がある。
教科書では「自汗=陽虚」「盗汗=陰虚」とされるが,必ずしもそうでないケースもあり,やはり他の症状をあわせて総合的に分析して弁証論治することが大切となる。
発汗障害に対し,わが国において漢方や鍼灸が役割を果たせる局面とはどのような場面なのか,実際の臨床で具体的にどう漢方・鍼灸治療を進めているのか。臨床報告を交えて紹介する。
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中医学的アプローチを把握して治療の幅をひろげる 【特集】コモンディジーズの中医治療 ―めまい―
めまいは日常診療で頻度の高い症状のひとつだが,病態や原疾患は多岐にわたり,さらに治療に抵抗する症例や,めまいが再発して繰り返すなど難治性のめまいも少なくない。
めまいは中医学では眩暈の範疇に入り,病位は脳にあるが,肝・脾・腎と密接な関係があるとされる。多くは本虚標実証に属し,肝腎陰虧・気血不足を本とし,痰・瘀・風・火を標とする。そのため,治療にあたっては平肝潜陽に肝腎の滋養を合わせたり,化痰降逆に健脾益気を合わせたり,活血化瘀に益気養陰を合わせるなど,標本を同時に考慮しなければならない。
本特集では,わが国のめまいの標準治療における漢方薬の役割を明らかにしたうえで,プライマリーケアにおけるめまいの漢方治療の進め方,日本で使いやすいめまいの弁証論治の提案,めまいの鍼灸治療などについて紹介する。
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