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通巻132号(Vol.34 No.1)◇読みどころ


 

【読みどころ・その1】p44~48

読みどころ熱の病態をいかに捉え,治してきたのか。

 さまよえる「熱」の変遷 ~その2:清熱の方法と意義の変遷~(加島雅之)


熱の病態理解と治療法の変遷を探る興味深い論考の第二弾。
今回は,熱に対する治療法である清熱の方法とその効果が,どのように変遷してきたのかについて,清熱の代表的な方法である黄連解毒湯と石膏を取り上げて見ていく。
黄連解毒湯は唐代の『外台秘要方』を出典とするが,宋以前では感染症の際の特殊な病態の治療薬として認識されており,現在のような清熱剤の代表として頻用する処方とはおよそいえない位置づけであったという。これが一変するのが金元代である。劉完素によって外感・内傷を問わず広く重症の熱の病態に使用できる処方として発掘され,ついには朱丹渓一派によって内熱の基本処方として確立されたのだという。
また現在の中医学では外感病の気分証のとき以外にあまり使われることのない石膏は,もともと外感・内傷いずれの熱にも使用されていたが,この状況が変化するのもやはり金元代に入ってからだという。




 
【読みどころ・その2】p49~54
読みどころ中医学に残された未解決課題,三焦の実体に迫る。

 三焦の実体と相火に関する考察(篠原明徳)


中医学理論において,いくつかの問題が未解決のまま現在に至っているが,その最たるものは三焦の概念であろう。本稿では,三焦の解剖学的な実体とその役割について,現代医学研究の知見をふまえ考察していく。
現代研究の知見では,両腎間の動気としての腹部大動脈のすぐ前に両腎を包みつなぐ構造物が解剖学的に存在していることや,動脈壁を含む結合組織に非血流性の運搬システムが備わっていることが明らかにされており,それらの研究結果が三焦や命門の実体を示唆するのではないかと推論している。
さらに筆者は,三焦と命門が深く関わっている相火の全体像についても,大胆に論を展開している。筆者は人体エネルギーの供給システムとしての相火を,その役割と主要関連臓器の違いから,全身の表裏に供給する相火外達系と,水液代謝を行うための三焦気化系の2系統があることを明らかにしている。




 
【読みどころ・その3】p132~137
読みどころ鍼灸臨床における経絡弁証の役割と使い方。

 経絡弁証は鍼灸臨床体系の核心〈前篇〉(趙吉平)


鍼灸の臨床における経絡弁証の重要性は衆目の一致するところである。しかし,その重要性が強調されているものの,現在の中国の教材では,内科の弁証方式に偏っていて,鍼灸の臨床における経絡弁証の存在感が稀薄だともいわれる。
そこで,当編集部が,昨年,第8版統一教材『針灸学』(人民衛生出版社)を主編した趙吉平氏に依頼して,鍼灸臨床における経絡弁証の役割と方法論を総括してもらったのが本稿である。鍼灸の特徴を際立たせた方法論の構築のためには,いまいちど経絡弁証を再点検することが不可欠と考えるからである。
今号に掲載した前篇では,おもに診断面からみた経絡弁証の役割と方法についてまとめられている。経絡望診・経絡切診によって病位・病性を判断するのが経絡学説を診断に応用する際の重要な内容である。




 
【読みどころ・その4】p138~144
読みどころ日本の臨床に適合した穴性構築に向けて。

 穴性論座談会「穴性をどう捉えるか」(金子朝彦ほか)


1980~90年代に中国国内で穴性に関する論議が活発となり,穴性を記載した書籍が数多く出版されたが,現在に至っても統一教材に定義されるような定説といえるものにはなっていない。その当時から賛否両方の見解が提起されていたが,最近では特に「穴性は薬性からの借り物で,鍼灸自身の法則性にのっとって形成されたものではない」という見解が目につく。
「穴性論」コーナーでは,日本の臨床に適合した穴性構築を目標に,これまで4つのツボをまとめてきた。中医鍼灸の実践には穴性の概念が不可欠で,日本の経験をまとめる必要があると考えるからである。そこで,「穴性論」執筆の5人のメンバーに集まってもらい,「穴性とは何か」「穴性と薬性は同一視できるか」「どうやってその穴性を導くか」「穴性と補瀉の関係は?」「鍼灸のための弁証論治システムとは」といったテーマについて討論してもらった。


中医臨床 通巻132号(Vol.34-No.1)特集/無症候性疾患の中医治療


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