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通巻137号(Vol.35-No.2)◇読みどころ



【読みどころ・その1】p32~37
読みどころ変質した教材を革新し真の臨床家養成を。
 中医思想の魂を取り戻せ(顧植山)


1956年,上海・北京・成都・広州に中国で最初の中医学院が創設されてから60年になろうとしている。その間,膨大な数の学生が養成されたが,卒業生全体の臨床レベルが期待されたほどではないのはなぜなのか?筆者は中医教育失敗の原因は,その教材にあると喝破する。
現在,大学で使用されている教材は,西洋医学を参考に整理・構成されたものであり,『黄帝内経』を代表とする伝統的中医思想との間には大きな隔たりがあると強調する。真に臨床力をもった学生を養成するためには,変質し真実の姿を失った現代中医理論にもとづく教材から,本源的な中医文化の思考法に立ち返った教材に革新しなければならないと述べ,気迫に満ちた論を展開する。
取り戻すべき中医思想の魂とはいったい何なのか――



  【読みどころ・その2】p82~85
読みどころ先人の経験を巧みに活かす名老中医・朱良春に学ぶ。
 帯下治療(邱志濟)


国医大師・朱良春氏の臨床に学ぶ連載の最終回。先人の処方・経験を巧みに活かしてさまざまな処方を縦横無尽に創製してきた名老中医が,婦人科の帯下病をどう治療するのか。
朱良春氏は帯下病を,まず湿・虚・瘀に分け,湿熱・寒湿・脾虚・腎虚・脾腎両虚・熱毒瘀・気滞瘀のタイプに分類し,健脾・昇陽・除湿・補虚・祛瘀などの治法を用いる。治療に際しては軽薬を使って重症を治療するところに特徴がある。
本稿では3つタイプの帯下病治療を示す。(1)湿熱による慢性帯下には,章次公氏がよく用いた椿皮柏葉湯と当帰貝母苦参丸の合方加減にならった当貝苦参柏葉湯を用い,(2)陽虚による水様性帯下には,温経湯の加減方を用い,(3)気滞血瘀による骨盤内感染症には張錫純の理衝湯の加減方を用いた。



  【読みどころ・その3】p120~127
読みどころ鍼灸文献研究の大家・李鼎氏に聞く。
 鍼灸教材の変遷と弁証論治の鍼(李鼎)


現代中医学のエッセンスは統一教材に凝縮されているが,鍼灸分野においてそのモデルになった教材が,1957年に現代中医学揺籃の地・南京で出版された。一方,上海では1960年に中国で最初の鍼灸学部が創設され,そこで使用される教材がまとめられていった。
南京と上海。現代の中医鍼灸の形成に多大な影響を及ぼした両校は,歴史的な交流を果たして,その教材を充実させていった。
この春,上海中医薬大学の李鼎氏を訪ね,現代鍼灸学の重要教材である南京1957年版『鍼灸学』の出版前後の状況をうかがいながら,鍼灸教材の変遷と弁証論治の鍼について話を聞いた。李鼎氏はこの南京と上海の交流に立ち会い,その後も中医鍼灸の発展に当事者として深く関わってきた。



  【読みどころ・その4】p128~133
読みどころハイレベルの臨床力をもつ名老中医が語る鍼灸とは。
 臨床における弁証と治症の意義(周楣声)


北京の中国中医科学院鍼灸研究所の黄龍祥氏は,鍼灸臨床の参考書として周楣声氏の『灸縄』を真っ先に推薦したいと語った(135号収載のインタビュー)。『灸縄』は書名のとおり灸法に関する書であるが,経絡系統に関する周楣声氏の見方が記されているなど,興味深いテーマがいくつか掲げられている。
この中から今号と次号にかけて,「鍼灸の弁証論治とはどういうものなのか」「湯液の弁証との異同はどこにあるのか」という観点について,周氏の見解を紹介する。
周氏は「治症」,つまり症状に対する治療の手段こそが鍼灸なのだと述べ,症状に対する治療によって異病同治・百病皆治が可能になることこそ鍼灸最大の特徴であり,奥義なのだという。その根幹にあるのは「通」だ。
湯液と鍼灸は中医学の両輪であるが,鍼灸の特徴を見極めてこそ,鍼灸の弁証論治がどういうものであるかが見えてくる。

中医臨床 通巻137号(Vol.35-No.2)特集/不眠症の中医治療―名老中医の経験に学ぶ―

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