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2011年中医薬統計〈5〉 まとめ

(1)中医薬事業は,医療・教育・科学研究の各方面において発展を続けており,中医薬の財政交付金も継続して増加している。2010年に比べ,中医薬資源・中医薬サービス・人口1万人あたりの中医科ベッド数および執業中医師(助手)数・中医薬系教育機関の学生数および教職員数はすべて増加しており,中医薬の科学研究機関の人員数および科学技術研究成果も絶えず増加していて,中医薬の重点学科にも発展がみられる。また,中医薬の財政交付金も,2010年の160億5,800万元(2,052億円)から,2011年には194億7,300万元(約2,486億円)へと増加している。


(2)中医薬サービスは,中国の医療衛生保健サービスにおいて絶えず強化されている。中国の医薬衛生事業の迅速な発展に従い,中医薬サービスも発展を加速させており,医療サービスにおける比重も絶えず増加している。2011年は,全国の衛生機関の中医科救急外来ののべ人数が,全国の救急外来総数の15.38%を占めており,全国の衛生機関の中医科退院人数は,全国の退院総数の12.61%を占めている。中医薬と西洋薬の相互補充および協調発展は,国民の健康維持および増進という任務を共同で担っており,この点が中国の医薬衛生事業の大きな特徴かつ優位性となっている。


(3)中医系病院は,全国の病院の平均レベルに比べると,まだ基礎的な面が顕著に劣っている。中医系病院の,総資産・院平均固定資産・1ベッドあたりの固定資産・院平均の建築物面積・1ベッドあたりの業務用建築物面積などは,すべて全国の病院の平均レベル以下である。このことは,中医系病院の建設を大幅に強化し,中医系病院の基礎的条件を改善する必要があることを示している。


(4)中医系病院のサービス効率は絶えず向上しており,全国病院と比べても大きく向上している。ベッドの回転数・病床作業日数・ベッド稼働率・退院患者の平均入院日数および医師1人あたりの診療人数(日数)はすべて,2010年に比べて大幅に上昇している。しかし,中医系病院の長期にわたる重点政策の不足や,基礎的条件の低さなどの現状は,いまだ根本的な改善がみられず,また中医薬の特徴として,退院患者の平均入院日数は全国の病院に比べてやや長いために,ベッドの回転数・病床作業日数およびベッド稼働率がやや低くなっている。


(5)中医系病院は,「看病貴」(治療費が高い)という問題の解決に大きな貢献をしている。中医系病院の2011年の退院患者の平均医療費は5,206.28元(約66,523円)であり,名目上は2010年の4,878.33元(約62,316円)に比べて327.95元(約4,189円)増加しているが,GDPデフレーター1.0752という物価動向指数で計算すると(5,206.28元を1.0752で割ると4,842.15元(約61,854円)になる),2010年の退院患者1人あたりの平均医療費に比べ36.18元(約462円)減少している。このことは,中医薬の「簡便で低価格」という特色および優位性を示しており,有効的で健康的な発展が持続可能な基礎医療制度の構築を啓示し,参考となる事柄を提供している。(国家中医薬管理局計画財務司)


翻訳:平出由子


出典:中国中医薬報(2012.10.8)

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