▼書籍のご案内-序文

『チャート式皮膚疾患の漢方治療』 本書の特徴

 
本書の特徴
 
 本書は,季刊『漢方と診療』誌(小社刊)に連載した「チャート式皮膚疾患の漢方治療」シリーズ(2013~16年掲載)をもとに,単行本にまとめ直したものである。
 本書の特徴は,以下の通りである。
 
●執筆者は,すべて豊富な臨床経験をもつ皮膚科の専門医であり,疾患の基礎概念,標準的な治療法などの解説がなされている。
●取り上げた疾患は,日々の臨床でよく遭遇するものばかりであるが,西洋医学的治療で十分な効果が得られないケースも多く,漢方による治療効果が期待できる疾患を選んでご執筆いただいた。
●単行本化するにあたっては,臨床現場からのニーズが多かった「老人性皮膚瘙痒症」「蕁麻疹」「掌蹠膿庖症」「扁平疣贅・尋常性疣贅(イボ)」「多汗症」の項目を新たに追加した。
●漢方処方の選択は難しいとされているが,フローチャートを用いることによって,4~6剤の基本的な処方の鑑別法を一目で捉えられるようになっている。
●症例紹介では,治療経過を辿ることで処方選択についての理解を深めるとともに,実際の症例写真により皮膚の症状と治療効果が確認できる。
●各疾患における漢方治療の位置づけ,代表的な漢方治療の方法,注意点,効果判定のポイントなどについても詳説されており,漢方の初学者にも理解しやすい。
 
 本書は,皮膚疾患の治療を通じて,漢方医学の基本的な考え方にも触れられるような内容になっている。皮膚科医だけでなく,他科の医師にも漢方入門書として役立てていただける一冊である。