メイン

2006成都研修旅行 アーカイブ

2006年07月25日

今年の研修旅行は成都です!

成都中医薬大学

第3回 中国研修旅行のご案内
[中医薬の故郷を訪ねる]―成都中医薬大学研修旅行2006


2004年の広州,2005年の南京と,小社では中医研修旅行を企画してまいりましたが,今秋は「中医の故郷」ともいわれる成都を訪れます。
成都のある四川省は,温暖・湿潤な気候と豊饒な土地を有し,豊富な薬剤に恵まれて歴代にわたって中医薬が発展してきた場所です。成都中医学院(現・成都中医薬大学)は,北京・上海・南京とともに中国で最初に設立された四大中医学院の1つです。北京中医学院が設立されたとき,四川から蒲輔周・任応秋・王伯学をはじめ,多くの著名な老中医が赴きました。
今回訪問する老中医のうち,傷寒論・各家学説の専門家として知られ,中医康復学科の創設者でもある郭子光教授はたいへん有名な方です。また,陳紹宏教授は急性疾患・難治性疾患の中医治療で豊富な経験をおもちです。そのほか,成都の方剤応用には定評があり,ぜひこの機会に日常臨床のヒントを探す成都の旅へ,皆さまのご参加をお待ちしています。

日程: 2006年11月1日(水)〜11月5日(日)(4泊5日)
催行最少人数: 10名
参加費用: 218,000円 (1人部屋希望の場合240,000円)
宿泊先: クラウンプラザ(Holiday Inn 成都)★★★★★

成都中医薬大学研修予定表 
*研修内容・指導教官は調整中のため,変更の可能性があります。

1日目11/1(水)午前/CA422便 成田8:55出発→成都到着15:30
         夜/自由行動 
2日目11/2(木)午前/臨床医学院−省中医医院研修:内科・郭子光教授(外来)
         午後/臨床医学院−省中医医院研修:外科皮膚科・鐘以澤教授(病棟) 
         夜/自由行動 or 川劇「変臉」の観賞
3日目11/3(金・祝)午前/大学見学・博物館見学,または中薬炮製実習・胡昌江教授(選択)
         午後/臨床医学院−省中医医院研修:内科・陳紹宏教授(病棟) 
         夕食/同仁堂の薬膳料理, 夜/自由行動        
4日目11/4(土)午前/方剤学・周訓倫教授(講義)「中医臨床効果に影響する素因について」
              臨床医学院−省中医医院研修:内科・葉伝恵教授(病棟)
         午後/中国で3番目に大きな薬材市場,蓮花池見学・薬材買物     
         夜/東洋学術出版社主催の晩餐会
5日目11/5(日)午後/CA421便 成都13:40出発→成田空港21:00到着

●お申込み・お問い合わせは,東洋学術出版社編集部までご連絡ください。
〒272-0021 千葉県市川市八幡2-11-5-403  
TEL 047-335-6780/FAX 047-300-0565  e-mail:kenshu@chuui.co.jp

なお,過去の研修旅行参加者の皆様およびすでに参加希望を承っている皆様へは,後日申込み用紙をお送りいたしますのでもうしばらくお待ちください。 

2006年08月17日

郭子光主編 『日本漢方医学精華』のご紹介

『

今回の成都中医薬大学研修旅行では,中国でたいへん有名な老中医のお一人である郭子光先生にご指導いただく予定です。
郭子光先生は,日本の漢方医学に対する造詣の深い先生で,1990年に中国で出版された『日本漢方医学精華』(四川科学技術出版社)という本の主編者でもいらっしゃいます。

この本は日本漢方の典籍・近代の論文を集めてその精華をまとめ上げ,日本漢方のもつ内容およびその優れた点と中医学との相違点について,理論から臨床各科に分類して紹介しています。
編者の言葉として,郭先生は「中国では日本の漢方について紹介している出版物が少なく,それが私たちが中医こそ最も偉大だと思ってしまう原因である。学問に国境はなく,広く受け入れることができてこそさらに発展できるのだとの思いから,この本を世に出した」とおっしゃっています。

日中の学術交流において中心的な活動をなさっている郭先生と,今回の研修旅行参加者の先生方との間に,今回の研修でどんな交流が生まれるでしょうか。
また,傷寒論・中医各家学説・中医康復学などのお話もうかがえるかと思うと,とても楽しみです。

2006年08月31日

成都市における中医薬に関するアンケート調査の記事 

 中医は中国の誇る医療ですが,実際に現代人に中医がどう評価されているのか,また中医は疾病に対する治療効果のある医療として認識されているのか,中医療法はどの程度理解されているのかといった項目に関して,アンケート調査を行った結果を,四川省中医薬研究院中医医院・張毅氏が中国中医薬報(2006.08.21)に発表されています。その概要を以下にまとめます。

 アンケート調査は,20歳以上の成都市民1193人に対して行われました。有効回答1176人のうち,中医療法に関する理解についての質問では,「理解する」と回答した人の割合は中成薬で68.0%,中薬の煎じ薬で57.9%,鍼灸で40.9%,その他は中医外治薬,推拿,気功導引の順となり,中医のいかなる内容もすべて理解しなかった人は3.9%だった。その内訳は,中成薬30.7%,中薬の煎じ薬20.4%,そのほかは中薬外治法,推拿,中医食療,中薬の健康食品,鍼灸,薬浴,気功導引,中医美容の順となった。

中薬の治療効果に対する認識調査において,「非常に有効」は7.5%,「有効」は34.4%,「まあまあ」は36.1%,「あまり有効でない」および「無効」は1.5%,無回答が20.5%だった。
人々がなぜ中医治療を信頼し選択するのかについて,その理由を調査したところ,「副作用が小さい」が25.2%,「治療効果がよい」が23.4%,「病気を治すと同時に養生ができる」が20.8%,「治療費が安い」が22.4%だった。
その反対に,中医治療を選ばない人の理由を調査したところ,「煎じるのが面倒」が29.9%,「味が苦い」が16.8%,「その他」が12.6%,「衛生的でない」が6.8%,「治療効果が十分でない」が2.7%,「中医を理解していない」が3.3%,「中医を信頼できない」が0.5%だった。

この結果をふまえて,張氏は積極的な中医薬の知識の普及の必要性を訴えています。広く中医薬文化を宣伝し,中医薬による疾病予防・治療の理念を人々に浸透させて,中医薬を利用した疾病予防・治療および自己健康管理の意識と能力を養うことが重要であると述べています。
また中医普及における大きな問題点の1つとして,中薬の剤型と服用しにくさが中医の利用を大いに制約しており,また効力の発揮にも影響するため,その分野における研究・改善を急ぐべきであることも取り上げられています。
そして,最後に中医学の普及のためには,医者は中医学の知識を学ぶだけではなくて,より一層患者の信頼を得る努力をするべきであると強調しています。

2006年10月03日

四川関連の情報 いろいろなHPのご紹介

中国のネット情報はとても豊富で充実しています。
成都のことを知りたいと思って探してみたら,いろいろなHPがあることあること。
全部見ていたらすぐに日が暮れてしまいそうで,とても見きれません。
その中のいくつかをご紹介します(中文ページばかりですが…)。

中国・成都 http://www.chengdu.gov.cn/ 成都市人民政府主催のHPです。 成都市の天気予報も見られます。
成都在線 http://www.chengdu.cn/index.do 成都市人民政府ニュースサービス室主催のHPです。
四川新聞網 http://www.newssc.org/ 四川の新聞媒体が集まっているHPです。下の方に川劇のニュースがありました。今回の研修ツアーに川劇鑑賞を入れていますが,仮面が一瞬のうちに変わっていく,とても面白い四川独特の劇ということなので,楽しみですね。
川劇




四川中医薬在線 http://www.sctcm.gov.cn/ 四川省中医薬管理局主催のHPです。(以前一度紹介しました。)
中薬現代化科技産業(四川)基地 http://www.tcmbase.gov.cn/info/TLJSP1T91R.jsp 四川中薬産業と経済発展を推進する基地のHP。
四川省中薬通 http://www.tcm1.com/newtcm1/index.aspx 四川省中薬通電子商務有限責任公司主催のHPです。
さらにそのなか,http://www.tcm1.com/zyzy/cydd/cydd.asp に道地川薬に関するページがあり,参考になりました。
四川省中医薬研究院 http://www.sczyy.org.cn/ 中国7大中医薬研究院の1つ,四川省中医薬研究院のHP。どんな人材がいて,テーマの研究を行っているか,紹介されています。

 みなさんも,もし何か面白い情報を見つけたらぜひ教えてください。

2006年10月11日

四川語

先日,東京で日中伝統医学学術交流会が開かれ,成都中医薬大学からもお一人,基礎医学院院長の陳鋼先生がいらっしゃいました。
先生の話される中国語は,やっぱりちょっと標準語と発音がちがうようだと実感しました。

「11月に13人(シーサンガレン)で成都に研修旅行に行きます」というと,
先生は「???」と,理解できないご様子。
何度か言い直しているうちにようやくわかり,
「あぁ,スーサングレン!」

甲府商工会議所 成都事務所のHPにある,駐在員のための四川語講座が面白いのでご紹介します。
http://www.kofucci.or.jp/cci/keizai/seito/6_chinese/index.html

中国語が流暢な方から,ただいま学習中の方(←私です)に,ご参考にしていただけると思います。

2006年10月18日

郭子光先生の咳嗽治療の論文について

旅行まで 早いものであと2週間をきりました。
先日ご案内した、先生方の論文の数々、みなさん一部でもお読みになられていらっしゃるでしょうか。
すべてを見るのはたいへんですので、ご参考までに参加者の方に読んでよかった論文のご感想をお聞きしてここでご紹介させていただきたいと思います。
郭子光先生の咳嗽治療に関する論文、私もちょうど読んで感銘を受けていたのですが、たいへん示唆に富むものでした。
以下が、参加者のお一人にお寄せいただいたご意見です。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

さて、郭先生の「治咳経験」は、興味深く読ませていただきました。
中で高血圧患者の宣肺平喘に、麻黄の代わりに「地竜」を選用している
ところが私には意外でした。
地竜で思い浮かぶのは通絡作用、清熱熄風薬というくらいなのですが、
調べてみると平喘作用もあるのですね。また熄風薬には止痙作用もある
のですから、止咳治療に配合するのは自然なことなのかもしれないと
感じました。

2006年10月27日

もうすぐ出発… 成都の記事のご紹介

出発まで残すところ5日となりました。
みなさん,もうご準備は万全でしょうか?
パスポートは忘れずに入れてくださいね。

中国中医薬報の2006.10.26の記事に,次のような成都中医薬大学付属病院についての記事がありました。
四川は,中医学の特色をとても大切にしながら発展を遂げているということがよくわかります。

●その1●「新しい病院が開院」―――――――――――――――――――――――
 成都中医薬大学付属病院である,四川省中医院の外来・外科総合棟および第3入院棟の開院式典が10月25日に開催された。
この病院の建設には4億元がかけられ,建築面積は8.84万平方メートルある。
病床は新たな500床を増やしており,また1日の外来診察数4,000〜5,000人に応じることができる。第3入院棟は,一流の設備と先進的診療設備をそなえ,中医の特色を持つハイレベルの医療サービスを提供することができる,医療・保健・健康回復が一体化した中医の高度医療センターである。

 四川省委員会は四川省を「中医学に強い省」として打ち出すことを,省政府の一貫した戦略目標として定めており,資本を注いで全面的にこの病院設備を整備し,省をあげて中医の発展を支持している。


●その2●「光り輝く業績 すばらしい未来」―――――――――――――――――
進展する成都中医薬大学付属病院/四川省中医院について
 中医薬は人々に民族の貴重な宝物と称されており、中医の故郷、中薬の倉庫である四川省は、歴史的にも,また現代においても我が国の中医薬の伝承と発展においてけっして軽視することのできない貢献をしてきている。

 成都中医薬大学付属病院/四川省中医医院は長期にわたって発展する中で,中医薬の事業を発揚し,中医薬の特色を突出させることを病院の基本方針としてきており,それによって省全体における中医薬の優位を確立してきた。
 輝かしい歴史の中で,病院は全職員がしっかりと「中医の特色と優勢において優れた病院としての基本」を確立し,さらに「名医・名薬・名科・名院」という「四名」の戦略,「科学技術によって病院を盛んにする」という戦略,「人材による職業の強化」という戦略を協力に推進して,精力を集中して中医の優勢と特色の発揮に務めた。
 病院には名医が1カ所に集まっており,国家級指導者5人,省クラスの中医28人,政府の特殊手当を享受する専門家31人,省の学術技術指導者9人,中医薬の学術技術指導者4人がいる。
 現在,病院は全国の中医急症医療センター,および全国の中医眼病気センターとなっており,また国家局重点専門科としては,中医眼科、腎臓病内科があり,さらに省クラスの重点専門科としては肛腸科がある。それらを筆頭に,病院全体の中医の特色を有する専門科・専門疾患を共同で発展させていっている。
 重点的に設置されている,糖尿病・皮膚病・鍼灸推拿科・中医男性科など,いくつかの中医の特色と優位性をもった専門科,専門疾患は,望ましい発展を遂げている。
 病院の名老中医や,著名な臨床専門家は,長年の臨床経験を大成し,祖国の伝統中医薬理論,臨床用薬経験と現代科学技術とを結合して,百種類以上の先進的な中薬製剤を開発し,中薬の煎じ薬560種類,中成薬380余り,院内製剤では22種類の剤型の200種近くを臨床で応用しており,長期の臨床経験における検証によって,その治療効果が顕著で,信頼できる安全性を有していることが証明されており,患者に喜ばれている。
 “新型肺炎”が流行した際には,病院の製剤がその予防に積極的な役割を果たすことができた。

 対外交流は病院のもう1つの特徴であり,日本・ドイツ・米国など世界の10数カ国および香港・台湾地区は,広範な学術の交流,協力と友好的な往来を行っている。日本の広島病院とは友好病院としての関係を結んでおり,米国国際中医学院、ドイツの伝統中医・鍼灸協会などとは長期的な関係をもっている。
 国際交流が日に日に緊密さを増すなかで、病院は四川の中医薬がいっそう世界に広がっていくことを推進する課程で、ますます重要な作用を発揮している。

 数年来,病院は上級指導部の支持のもとで,ずっと科学的な発展観と科学的な管理理念を堅持し,比較的よい成績を得ており,未来の発展の中で,病院は引き続き正しい方向性を堅持し,絶えず総合的な水準を高めて,存分に中医の秀でた作用を発揮し,省全体の中医を扇動しながら,新たなステージで再度の飛躍の実現を目指す。

2006年11月20日

臨床研修でみた,糖尿病合併症患者さんのその後

成都中医薬大学・内分泌科,●(qi)魯光先生に,メールをお送りしたところ,お返事をいただきました。
そこに,先日の研修で見せていただいた糖尿病合併症の患者さんのその後のご様子が書かれていましたので,転載します。

チー先生診察







「とてもうれしくお手紙を受け取りました。お問い合わせの2人の患者の現在の情況はとてもよく,帯状疱疹合併の患者はすでに全快して退院し,切断を回避できた足壊疽合併患者の方も足の皮膚の生長がとても速く,傷口はもうすぐ癒合しそうで,私たちはとても喜んでいます。
私はこの頃とても忙しく,来年5月にはドイツで学術交流会があり,今私は講義内容の準備に追われています。
今回の貴社の研修で,皆さんと知り合えてうれしかったです。いつかまた,お会いできる機会があることを望んでいます。」


●(qi)先生の糖尿病合併症治療の成果は,国際的にもたいへん注目されております。
ぜひ日本でも,糖尿病合併症に対する中医薬治療,中西医結合治療が実施され,患者さんの助けになるといいなと思います。
今後も,●(qi)先生のご活躍に注目していきたいと思います。

今回の臨床研修での●(qi)先生の症例リポートは,篠原明徳先生がさっそくご執筆してくださり,『中医臨床』次号(12月号)に掲載される運びとなっております。
あわせて●(qi)先生の関連論文の一部抜粋翻訳も載せますので,楽しみにしていてください。
また篠原先生は高知新聞2006年11月17日号の「効用雑事 四万十・中医学の里から」のコーナーでも,「中国の診療現場」の記事をお書きになっていますよ。

2006年11月23日

研修旅行リポート 当社HP上に掲載しました!

写真入のリポートを、当社HP上にUPしました。
よろしければぜひご覧ください。↓

東洋学術出版社HP 成都中医薬大学研修リポート

『中医臨床』107号(2006年12月号)にもリポートを載せますが、そちらは残念ながら白黒なので、HPの方がカラーで楽しく見ることができます。
そのほか『中医臨床』107号、108号には、参加者の何人かの先生方に各研修の詳細リポートの執筆していただいていますので、そちらもとても楽しみです。

2006年11月29日

成都研修のアンケート結果

研修旅行後、多くの参加者の方々にアンケートにご協力いただくことができました。
みなさまからお聞きしたご意見・ご感想を紹介します。

東洋学術出版社 2006成都中医薬大学研修旅行
アンケート 集計結果

■全体評価
 内容がたいへんよかったとの回答が多かったTOP3は,
  郭子光先生,qi魯光先,周訓倫先生
でした。中薬炮製実習の胡昌江先生もかなり評価が高かったです。

◇個別の講義の中で,特によかったもの,印象に残ったものは?
・郭子光先生の臨床姿勢。
・郭子光先生は,抜群の印象。言う言葉もないくらいよかった。
・郭子光先生の講義は,和文の資料も準備してくださり,非常にすばらしかった。
・やはり郭先生の命門学説に基づいた臨床の話は良かった。もっと複雑な症例も勉強してみたかった。
・郭先生の血液難病への中医の考え方が勉強になった。
・郭子光先生と周訓倫先生がすばらしかった。
・郭子光先生の肝の疏泄と増多、増少の理論と崇高なお人柄。胡昌江先生の炮制実習。qi先生の弁証論治による治療効果の素晴らしさと患者さんへの温かい包容力。
・qi教授の臨床講義は本当にすばらしかった。重症患者を中医学でレスキューするという内容は聞いていて感動的だった。
・郭子光先生の血球増多症と減少症に対する弁証論治。周訓倫先生の講義でのディスカッション形式。
・周先生の「日本の皆さんはこれをどう弁証しますか?」の問いに応えられてよかった。
・炮製の講習と実習がよかった。臨床研修もたいへん刺激になった。
・炮製実習。炮製の意味をはっきり示し,実習も多彩に準備され,中薬使用の奥深さを実感できた。

◇中医学に関して,これまで抱いていた疑問・質問の中で何か解決したことはありましたか?
・命門の考え方。
・「命門の火」は当然,相火・三焦などの今まで頭の中で思弁的概念であったものの実体化ができた。
・これまで勉強してきた中医学の方法や方向性に間違いがないことを実感できてうれしく感じた。
・どの先生も「基礎理論に忠実であれ」と教えられたことで,立つべき位置がはっきりした気持ちになった。解毒→補気への病証=方剤選択の時期がはっきりわかった。
・弁証論治,中医学の原理原則を忠実に追求し続ける態度と実力に感銘を受けた。改めて中医基礎理論を今読み返し始めた。
・弁証と弁病。どちらにも偏らない,この2つの視点が必要だということ。
・中西医結合ということが,一般的に考えられていることを確認した。
・周訓倫先生から、慢性腎不全維持透析例において透析離脱が可能であると伺い、同例の中医学治療に対し、希望を持つことができた。
・久病入絡により、瘀血を考慮にいれること。

◇個別の症例の中で,特に参考になったもの,印象に残っているものは?
・糖尿病の足の潰瘍壊死の症例は今後応用できそう。
・糖尿病症の実習は圧倒された。「弁証論治」の大切さを改めて実感した。
・糖尿病の治療例。
・再生不溶性貧血,糖尿病性腎症,乾癬。
・糖尿病の壊死の症例。
・糖尿病の壊疽,腎症の症例。
・リンパ腫の糖尿病閉塞性動脈硬化症で切断を免れている症例。補気清熱の臨床応用。
・内分泌科の糖尿病合併下腿潰瘍例,皮膚科の帯状疱疹の抗ウイルス薬なしでの傷の治り方がきれい。
・糖尿病病棟の症例。
・糖尿病壊疽例に対し、中医学的治療により、足の切断を免れた例が印象に残った。
・qi先生の脱疽の症例。

◇成都の中医臨床の特徴,有用性は,どのようなところにあると感じたか?
・郭先生の影響かと思いますが、かなり伝統医学の色彩が濃いこと。薬の配合より、治法を重視している点。
・伝統医学としての中医学の伝統を堅く守り妥協しないで,しかも柔軟性を持つという実力が並みでない。中医学に対する信念を肌で感じた。
・症状を方剤や中薬にすぐ結びつけるのでなく,弁証という中医の基本理論に必ず戻っていること。
・どの先生も弁証論治を大事にし,基本に忠実だと感じた。
・中医学の基礎に重きを置きながら,うまく中西医結合され臨床に生かされている点。
・糖尿病の中医学専門家があれだけいること。
・平易な方薬の組み合わせで難病に著効を得ている点。西洋医学の有効性も踏まえ,お互いの利点を中庸を得ながらうまく臨床応用している点。
・理論と所見のとり方が明瞭で,空理空論を感じることがなかった。科学的に感じられた。
・古方活用の巧みさ。四川地域特有の生薬活用。その他多。
・現代医学的な難治例に対して、現代医学的手法からの脱却を図ろうとしている点。通常は難治とされる例に対して、あきらめずに、果敢に中医学的治療を試みている。
・弁証論治に則った治療効果のすばらしさ。

 以上,貴重なご意見の数々,本当にありがとうございました。
成都中医薬大学に研修に行ってつくづくよかったと思います。

それから,
◇このような研修旅行の企画があれば,また参加を希望されますか?
 この問いにはみなさんが,「また参加したい」 とご回答くださり,感激です!

◇次の企画があったら研修場所はどこがいいですか? 
 これには,「また成都をみたい」と「他の大学を見たい」 が半々でした。
具体的なご意見としては,
・田舎でも良い。大学以外の叩上げの中医を見てみたい。
・成都の先生方と年1回交流していくことによって,人間関係を深め,情報交換していくのも1つの方法。
との声が聞かれ,どちらにも「ごもっとも!」と共感せずにはいられません。
欲を言えば,2種類の研修ができれば理想的ですね。
それから今回ご参加いただけなかった多くの関西方面の先生方のために,関西出発も実現できれば…と思います。

準備はたいへんですが,いろいろと夢は膨らみます。
中医学の本場・中国での臨床研修という貴重なチャンスを,当社では今後もみなさまにご提供していけたらなと考えております。
次回企画に,また多くのみなさまにご参加いただければうれしいです。

2007年01月03日

2007年 謹賀新年

年賀状

新年明けましておめでとうございます。
今年は中医学に興味をもつ人たちがますます増えそうな予感です。
今年も中医学を学ぶこと通じて、また自分もステップアップできるようにがんばりたいです。

その後、成都研修旅行参加者の方から、「来年はもっと中国語を話せるようになって参加したいので、中国語を一生懸命勉強しています」とか、「次回は中医の病因病機について、もっと深いレベルの質問できるようになりたいので、研修の後メガネを作り直して勉強しています」など、成都をきっかけにがんばっていらっしゃる皆様の様子をお聞きしました。
郭先生の通訳をしてくださった劉淵先生からは年賀メールをいただき、「これからもっと頑張って日本語を自習し、将来中日の交流に自分の力を出したい」とのメッセージをいただきました。

成都には本当にいい先生方が多く、次回はテーマをあらかじめ絞って、予習をしっかりしてまた成都にいくことができれば収穫の多い研修が実現できるように思います。
もしご希望がございましたら、皆様から勉強したいテーマについてご意見をお寄せいただきたいと思います。

それでは、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
今年も皆様にとってすばらしい1年が訪れますように…。

2007年02月20日

成都中医薬大学HP 春節バージョン

2月18日は中国の春節,お正月です。
たまたま成都中医薬大学のHPを開いたら,以前と違う春節バージョンのリニューアルされたページが開きました。
春節のお祝いの動画も楽しめて,新年の挨拶文も出てきました。
お時間があったらちょっとご覧になってみてください。
爆竹バンバンの春節の雰囲気が味わえますよ。
(おそらく期間限定のいまだけです)
→ こちらをクリック。

2007年06月01日

郭子光先生からのお便り

昨日,とてもうれしいお便りが成都中医薬大学・郭子光先生からメールで届きました。
皆様にもお知らせしたくて,翻訳して以下にご紹介します。


「こんにちは! 月日が経つのは本当に早く,光陰は矢のごとし,昨年11月に成都に集まって交流してから早くも半年が経ちます。そちらは諸事順調のことと、祝福いたします。あのときの交流のあと、何度か手紙で私の講義を賞賛してくれたことに、深く感謝の気持ちを表します。私と貴社のみなさんは旧友、数十年の昔からの友人です。今後,もし貴社に必要があるならば、また機会があるならば、私はきっと貴国へ交流しに行きます。共に伝統の医学を発揚し、人類に幸福をもたらしましょう。私は何度も日本に行って交流してきましたが、日本の漢方医学界の友人たちと、深い友情があり、このような友交関係は次の世代へも代々伝えていくべきです。青い山が永遠にあり、碧水が長く流れるように!
2007年5月30日 成都中医薬大学 郭子光拝」

郭子光先生は,いつまでも日本の私たちとの友好関係を大事にしてくれる,心の温かい先生です。
このようなお便りをいただけることはとても幸せで,感激です。
日中の学術交流がまた近いうちに実現することを,願っています。

About 2006成都研修旅行

ブログ「中国研修旅行ブログ」のカテゴリ「2006成都研修旅行」に投稿されたすべてのエントリーのアーカイブのページです。新しい順番に並んでいます。

前のカテゴリは2005 南京研修旅行です。

次のカテゴリは2006成都研修旅行CATEGORY: 2006成都研修旅行です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type