2010年04月01日

ブログ移転のお知らせ

当ブログは,
2005年9月16日から2010年3月31日までlivedoorBlogで公開されておりました,
「中国研修旅行ブログ /presented by 東洋学術出版社」
http://blog.livedoor.jp/toyogaku/)の移転先です。

2010年4月1日以降の更新につきましては当ブログでのみ行います。
ブックマークなどを設定されている方はご変更をお願いいたします。

旧ブログでは過去の記事が閲覧できるようになっておりますが,
予告なく閉鎖する可能性もございますのであらかじめご了承ください。

2009年12月21日

『中医臨床』12月号 中医火神派特集

いよいよ『中医臨床』12月号 中医火神派特集掲載号が発行されました。

●特集構成●
・火神派に出合う旅へ/特集構成/小解説 火神派とは
・山西研修リポート
  日程/山西中医学院附属医院訪問/李可老中医研修/趙傑先生臨床研修
・参加者の声 研修で何を感じ,何を得たか
・趙傑先生症例からみた扶陽法の運用
・コラム:火神派の生まれた時代背景  風間洋一
・附子と火神派  岡田研吉
・火神派の開祖・鄭寿全(欽安)の学術思想  小金井信宏
・インフルエンザ予防と控制についての私見 李可
・日本における応用:症例報告  伊藤良

今回の「火神派特集」では,山西研修旅行のリポートに加えて,火神派の学術的背景,および火神派理論を応用した臨床報告などの関連記事・論文を集めました。
ほんの一端ではありますが,ぜひ特徴ある学術流派の魅力を味わってみてください。

http://www.chuui.co.jp/chuui/001668.php


平遥城内の街並み

2009年09月03日

2009年山西研修 李可老中医を訪ねる旅

2009年9月20〜24日までの日程で、山西省の老中医・李可先生を訪ねて研修を行うことになりました。
李可先生は目下中国で大きな話題を呼んでいる、火神派の有名な老中医です。
火神派とは、人体の陽気をもっとも重要視し、治療の際には附子・肉桂・乾姜などの辛温薬を多用することを特徴とした、扶陽治療に長じた流派です。
中国医学の歴史の中で、もっとも新しい学派ですが、学術的にも臨床的にも、とても興味深い内容を有しています。
中国では伝統的中医学を見直す動きが盛んになり、火神派に関する書籍も続々と出版されてブームとなっています。

李可先生は、回陽救逆の際には附子を数百グラム用いて患者を救うなど、伝統中医学のもつ力を発揮して注目を浴びています。
お会いしてお話をうかがえるのが楽しみです。

今回の研修は、都合により公開募集を行いませんでした。
研修内容については、『中医臨床』12月号に掲載予定ですので、ぜひご覧ください。

2008年05月26日

成都中医薬大学 キ先生・熊先生からの便り

 成都中医薬大学のキ魯光先生,熊大経先生ご夫妻から,5月23日にメールで連絡をいただきました。先生方のご自宅は7階だったために,たいへんな揺れだったようです。先生方がご無事で,本当によかったです。

「心配してくれてありがとう。地震のために、家の中は一面めちゃくちゃになりました。地震が起きたとき,私達は7階の家の中にいたのですが、あまりの激しさで、ほとんど逃げることができませんでした。それからも余震がひっきりなしに続いたため、数日間は家に帰ることができず、車の中で過ごしていました。さらにそれに加えて,ここ数日間は患者の応急処置に追われ,メールができませんでした。でも,私達は二人とも元気です。
 友好的な日本の救援隊が、いち早く成都に着いて、私達の被災者への救護活動を援助してくれて、たいへん感動しています。本当に地震は非情ですが、人には情があることを感じます。日本の友人に,感謝します。  キ魯光 熊大経」

2008年05月14日

四川地震 成都中医薬大学の状況について

 5月12日に四川省汶川県でマグニチュード7.8の大地震が発生し,震源付近の広範な地域で深刻な被害が出ていることが連日報じられています。
 弊社では2006年に研修のため成都中医薬大学を訪れていますが,大学外事処に問い合わせたところ,「今回の地震で成都市でもかなり激しい揺れが感じられたものの,大学関係者は皆無事です。また成都市内の被害はそれほどひどくないので,安心してください」とのことでした。

 研修の際にご指導いただいた郭子光先生からは,「目下四川では,温家宝首相の指導下で被災地における救援活動に全力で取り組んでいます。成都市区と成都中医薬大学は被害がなく無事です。診療・授業も通常通りに行われていますので,皆様どうぞ安心してください」とのメッセージをいただきました。
 そのほかの先生からの便りによれば,地震後2日ほどは余震も続いていたため,怖くて自宅では夜眠れず,屋外の車中で眠っていらしたそうです。その後ようやく余震が収まって,自宅に戻ることができたとの状況をうかがいました。(5月14日現在の情報)

 被災地の救援活動の一刻も早い進展を願うとともに,被災者の方々に心よりお見舞いを申し上げます。



2008年02月27日

上海・姜興俊先生のインタビュー記事が,中国中医薬報に掲載されました

2007年11月の上海研修の際に行った,姜興俊先生のインタビューの内容の一部を,このたび先生の学生さんが整理され,中国中医薬報に投稿されました。
以下をクリックすると,記事の内容がご覧になれます。

中国中医薬報2008年2月25日版 姜興俊先生インタビュー記事

日本語の記事は,『中医臨床』次号(2008年3月20日発行予定)に掲載されますので,そちらもぜひご覧ください。
また次々号(2008年6月20日発行予定)には,姜興俊先生の医案を掲載する予定です。
そちらもお楽しみに。

2008年01月07日

上海・姜興俊先生からのメッセージ

2008新年明けましておめでとうございます。
今年も充実した研修旅行を企画できるように,頑張りたいと思います。
ご指導・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

さて,昨年11月に訪れた上海の姜興俊先生から,新年のうれしいメッセージが届きました。
一部を翻訳して掲載します。

「先日の研修の際の交流を通じて、貴国の医学界の人士が中医学に対してとても強い熱意をもっていること、また貴社が中医の学術交流をたいへん重視していることを,私は深く感じました。
それゆえ私は今後喜んであなた方と連絡を取りあい,東洋学術出版社と『中医臨床』を通じて、貴国の志ある中医の先生方と学術交流を行いたいと思います。
私たちは手を取りあって、ともに中医学の継承・発展と繁栄のために努力しましょう。
それから、先日のインタビューの内容の一部を,私の学生が中医学を学ぶ立場から整理して、近日『中国中医薬報』に発表する予定です。
掲載の予定が決まったら,またお知らせします。
新年の吉祥と、万事が順調であることをお祈りします。
姜興俊


姜興俊先生インタビューの内容は,『中医臨床』3月号に掲載する予定ですが,中国でも『中国中医薬報』に掲載されるとはとてもうれしいですね。
伝統中医を守り,発展させる純粋中医・姜興俊先生には,今後も注目したいと思います。
また,ぜひ親密に交流を続けていきたいですね。

2007年11月26日

上海研修 無事終わりました

上海曙光病院
2007年11月21日から25日までの4泊5日で上海を訪れ,曙光医院と中西医結合医院で中医学研修をしてきました。
今回は6名の先生方と,途中参加のお1人の先生の計7名にご参加いただき,例年同様の中身のとても濃い研修を受けてくることができました。

曙光病院では中医治療を受ける患者さんの多さに驚かされました。
有名な先生の元には,半日になんと100人を超える患者さんが診察に訪れます。
また冬を目前にひかえたいまの季節,上海の風物詩である「膏方」の処方をもらいに来る患者さんも数多くいました。
中西医結合治療のなかで,西洋医学的治療のすぐれた点と中医学の弁証論治の長所をうまく使い分けたり,あるいは併用したりしながら,患者さんにとって最善の治療が行なわれている様子を実際に見てくることができました。
そしてもう1つ,注目していたのは,曙光病院の中にある伝統中医センターです。
そこでは中医学に対する確固たる信念の元,古典や弁証を重視した純粋中医が実践されていたのです。

そしてもう一箇所の研修先として,上海市中西医結合医院にて全国中医脈管病診療センター,および上海市中医重症筋無力協作医療センターを訪れました。
ここでも中医学の優位性が存分に発揮され,大きな成果があげられていました。

研修の詳しいリポートは,『中医臨床』3月号のなかでご紹介する予定です。
どうぞお楽しみに。

参加者の皆様が,今回の上海研修で得たものを,臨床で大いに活かしてくださることを心から願っています。



2007年10月15日

上海の名中医たちが若手医師らの手を引く

中国中医薬報の記事の中に,今度研修に行く上海中医薬大学付属曙光医院で,伝統への回帰を目指して,若手医師らに対して老中医たちが古典を中心とした伝統的中医学を直接伝授するという新たな動きが起こっているとのニュースがありました。
11月の研修で指導していただく予定になっている先生の中にも,この研修班で研鑽されている先生がいらっしゃるかもしれません。
すさまじい勢いで現代化が進む現在の中医界,力のある老中医が本当に少なく,かつ高齢になっている中で,やはり古典や伝統を重視しなければ中医学が存続しえないという事に気づき,大きな危機感が生まれているようです。
記事の翻訳文を,以下に掲載します。


古典を精読して理論面を強化――上海の名中医が若者の手を引く

上海中医薬大学付属曙光医院が9月26日に発表した情報によると、伝統的な中医の人材を育成するため、同医院は中医古典研修班を発足させた。最初の24名の学生がそれぞれ有名な師匠のもとに弟子入りするとともに、『黄帝内経』などの四大経典の精読に取り組み、伝統的な中医理論の素養の強化を目指す。中医を「原汁原味(元の風味そのまま)」に回帰させるため、いま上海市内のいくつかの大きな中医医院で「名中医が若者(年が若くてキャリアが少ない人たち)の手を引く」という一種の新しい動きが起こってきている。
 徒弟制度は中医伝承のもっとも伝統的な方式であった。しかしながら、近年の中医教育の中で師匠につくという形式が減り、一部の若者たちは中医研鑽に対してあまり興味をもたなくなっている。今回、曙光医院が中医古典研修クラスを成立させたのは,そういった若い医師たちに「一対一」で師匠につくための機会を提供するためである。24名の学生の学習カリキュラムは大変特別なものになっている。それぞれの学生は『黄帝内経』『傷寒論』『金匱要略』「温病学」などの四大著作以外にも、さらに自分の専門に関連する1、2冊、多いところでは3〜4冊の古典医学書を精読する。
ここで24名の学歴レベルを見てみると驚きを禁じえない。75%の学生が修士以上で、その中でも主任・副主任クラスの中〜青年医師らが中核となっている。聞くところによると、医科大学の本科教育の中でも四大経典は重要な科目のひとつになっているというが,その一方でこのようにすでに豊富な臨床経験をもつ医者が再び古典を読むことに意義はあるのだろうか? 学生の1人である張婷婷主任医師は,「長い間臨床を続けていると、古い文献に対する記憶が曖昧になっている部分もある。古典を復習することで臨床上の難題を解決したいと強く思う」と説明する。張婷婷が弟子入りした師匠である、名中医・王慶其教授はこう語る。「本科教育の中での古典の精読は、ただ概念上だけに限られている。しかし臨床経験のある学生はまさしく温故知新で、古典の中からまったく新しい理解を得ることができ、古典のもつ力を現代医学の中で発揮させることができる」
中医の古典を伝承し、中医文化を回帰させることは目下の上海中医界での大きな課題のひとつとなっている。上海中医薬大学付属竜華医院の顔徳馨裘沛然らを含む8名の「重量級」の中医専門家たちが,院外名誉教授として招聘されている。名誉教授は毎月青年医師とグループミーティングを開いており,また病棟回診や「抄方(処方を写し取る)」による指導を行う以外にも、自身で描いた書画を鑑賞させにたびたび学生たちを連れて行くなどして、中医文化に対する愛着をもてなくなっている青年たちの素養を養っている。それと同時に、いくつかの大きな中医医院内では有名老中医研究室・伝統中医診療センターなどが開設され、老中医たちにより多くの能力を発揮してもらう場を与えるとともに、上海派中医に「一脈相承( 同じ流れを受け継ぐ)」させることを目指している。
(2007.9.28 中国中医薬報)

2007年09月14日

催行決定いたしました

なんだか例年より、お申し込みが少なかった今年の研修旅行。
催行できるかを心配しましたが、なんとか催行が決定いたしました。
中医学を志すベストメンバーの研修団が実現できて、本当にうれしく思います。
研修の中身を充実したものにできるよう、引き続き準備をがんばります。

もしも「申し込みが間に合わなかったけれど、やっぱり行きたい」という方がいらっしゃれば、ご相談ください。
運よく航空券がとれれば、まだご一緒に参加できる可能性がありますよ。