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2007年03月 アーカイブ

2007年03月23日

中国と海外の合作 ――フィンランドで中西医結合脈管病センターの設立へ

昨年の成都中医薬大学研修旅行では,キ魯光先生の糖尿病足壊疽患者に対する中医治療の成果を目の当たりにしてきましたが,中国中医薬報に上海中西医結合脈管病センターの治療成果にまつわる記事がありました。
フィンランドでは,国際合作として中西医結合の治療センターを設立しようとしているそうです。
以下に,中国中医薬報の記事から抜粋し,紹介します。

 本誌ニュースによると 今年1月中旬、フィンランド・カウォラ市の市政府の主席・依楽波が一行の11人を引き連れて、はるばる上海市の中西医結合医院を見学に訪れ、合作について話し合った。
 彼らには上海市の中西医結合医院の院長・舒志軍らが陪席し、全国中西医結合脈管病センターを実地に視察した。
双方の一歩踏み込んだ会談の中で、フィンランド政府は明確な合作の希望を表明して、中西医結合による脈管病の診療技術を導入して,フィンランドに合作による1つの医療保健センターを建設したいと述べた。
事は2005年3月まで遡るが、フィンランドのテレビ局があるニュースを放送した。それは、一人の下肢に潰爛が生じて17年になる現地の患者が、最終的に中国・上海で中西医結合治療を受けて全快した経緯を紹介するものであった。
このニュースはたいへん大きな反響を引き起こした。
患者は瑪蔕といい、当時の足の瘡口は,およそ両手の手の平大で、表面はとても粗く、液体の浸出が見られ、かゆみと腫痛のために歩行が困難で、夜間に病状はひどくなっていた。
この病気によって,患者の仕事や日常生活に大きな支障をきたしていた。
病気になって17年間、彼は先進近代的な病院を尋ねつくし、多くの西洋薬を服用したが、病状を制御することができなかった。
1人のフィンランド籍の中国系の友人の助けによって、彼は上海市の中西医結合医院,全国中医脈管病センターで治療を受けた。
その時、瑪蔕と家族はちょっと試してみるくらいの気持ちで、1万ユーロの治療費を用意して治愈するかどうかを見極め、お金がなくなったら帰国するつもりだった。
しかし、予想外にも、瑪蔕は1〜2週間の治療の後、症状が明らかに軽減した。そして一カ月以上経つと、潰爛した傷の表面が癒合を始めた。
長年におよんだ頑固な病気は一度に除かれ、すべての治療にかかった費用は予算の1/6だった。
瑪蔕が治愈して帰国した後に、ニュースはフィンランドで速やかに伝えられた。
親友、医師専門家など、好奇心や猜疑心をもった人々が,次から次へと彼を見舞いに訪れ、彼のズボンをまくって、傷の表面で繰り返し触ったりつまんだりして、中西医結合治療の効果に対してしきりに驚き,不思議がった。
フィンランド・カウォラ市の市政府の官吏、専門家が,上海の中西医結合医院に来たのは,このような特色のある医療に向き合うためだ。
依楽波・剛度主席によると、北欧には脈管病に類する疾患に対する治療法がなく、最後の治療手段としては手足の切断手術を行うしか手立てがないという。
瑪蔕が帰国した後に、中医薬結合治療の効果はわれわれに大きな興味を抱かせた。われわれは中医に数千年の歴史があることは知っているが、中医をほんの少ししか理解していない。
フィンランド・カウォラ市の市政府は衛生界の専門家らと話し合い、上海方面と交流・合作を促進することを望んだ。
このたびの考察は印象深いものであり、さらに客観的な理解を深め、双方の協力のもとに、できるだけ早期にフィンランドに医療保健センターができることを望む。
                    (楊国成 王飛)中国中医薬報 2007.3.12

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