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通巻140号◇【リポート】2016年のWFAS学術大会は東京/つくばで開催

キックオフ・ミーティング開かれる

[編集部]

 2016年11月5日~6日の2日間にわたって,つくば国際会議場でWFAS Tokyo/Tsukuba2016(主催:全日本鍼灸学会・日本伝統鍼灸学会)が開催されることが決まり,2月6日,東京都内で運営委員会発足式が開催された。
 当日の来賓には,(一社)日本東洋医学会・(公社)全日本鍼灸マッサージ師会・(公社)日本鍼灸師会・(公社)東洋療法学校協会・(社福)日本盲人会連合・(公社)全国病院理学療法協会・日本理療科教員連盟・(一社)東洋医学系物理療法学会・日本良導絡自律神経学会・経絡治療学会・東洋はり医学会・積聚会・日本中医学会・全日本鍼灸学会といった日本の鍼灸関連団体の各代表が名を連ね,オールジャパンでWFAS学術大会に取り組む姿勢が鮮明となった。

●WFASとは
 WFAS(World Federation of Acupuncture-Moxibustion Societies:世界鍼灸学会連合会)は,1987年,学術交流を通じて世界各国に鍼灸を普及し発展させることを目的に設立された組織である。1998年にWHO(世界保健機構)と公的関係(official relationship)が成立し,現在,鍼灸関連の世界的な組織としてWHOと公的関係をもつ唯一の学術団体でもある。設立当初,加盟団体は55であったが,2015年時点で173団体となり,鍼灸関係では世界最大規模の連合だ。日本からは,全日本鍼灸学会・日本伝統鍼灸学会・全日本中医薬学会・日本国際針灸中医薬学会の4団体が加盟している。現在,中国の劉保延氏が会長を,沈志洋氏が事務局長を務め,北京に事務局が置かれている。日本からは形井秀一氏が副会長を,若山育郎・石崎直人両氏が執行理事を務めている。
 設立以来,毎年学術大会を開催しているが,前回日本で開催されたのは1993年の京都大会(第3回世界鍼灸学術大会)であり,今回はじつに四半世紀ぶりに日本で開催される。WFASはもともと日本が発案し,全日本鍼灸学会の初代会長・高木健太郎氏,元国際部長・黒須幸雄氏らの活躍により設立に至った経緯があるだけに感慨深いものがある。

●東京/つくば大会に向けて
 この5年ほど,ISO(国際標準化機構)を舞台にした伝統医学の国際標準化問題が大きな波紋を呼んでいるが,WTO加盟国内で強制力をもつ規格策定であるため,合意形成は困難を極めている。ただそんななかでも,各国の思惑をはらみながら合意できる事項については各ワーキンググループで徐々に規格化が進んできている。また国際標準化はWHOでも進行中であり,さらにWIPO(世界知的所有権機関)における伝統的知識の議論や,ユネスコの世界遺産登録をめぐる登録競争なども勃発していて,鍼灸を取り巻く国際情勢は複雑な様相を呈している。
 2016年の学術大会はそのような国際情勢のなかで開かれる。一体,どのような演題が組まれ,学術交流がなされるのであろうか,興味は尽きない。
 大会の会頭を務める後藤修司氏(全日本鍼灸学会会長)は,大会のテーマは「美しき鍼灸」(The Beauties of Acupuncture)と決めたと述べ,「今や鍼灸医療は,世界に広く伝播され,普遍的(Universal)でありながら,各地域固有の文化と融合した多種多様性(Diversity)のある,『最も古く,そして最も新しい健康観を内包した医療』として各国国民に受け入れられている。これからの鍼灸医療の目指すところは,人類共通の医療資源として生命・生存・健康をひとつらなりのものとして捉え,従来の伝統的な枠組みに止まらず,社会の変革や疾病の変化に対して柔軟な姿勢をもち続け,常に自己改革と社会が求める意義ある価値を創造し,未来にあるべき持続可能なヘルスケア(Sustainable Health Care)のモデルをダイナミックに提示することである。それこそが『いのち』の輝きを支え続ける『美しき鍼灸』の創出にほかならない」と,大会開催の趣旨を説明した。

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WFAS過去大会 開催国(開催地)
1987年中国(北京)/1988年カナダ(トロント)/1989年中国(北京)/1990年フランス(パリ)/1991年中国(北京)/1992年イタリア(ローマ)/1993年日本(京都)/1994年韓国(ソウル)/1995年トルコ(イスタンブール)/1996年アメリカ(ニューヨーク)/1997年中国(北京)/1998年スペイン(バルセロナ)/1999年ベトナム(ハノイ)/2000年韓国(ソウル)/2001年シンガポール(シンガポール)/2002年イタリア(ローマ)/2003年ノルウェー(オスロ)/2004年オーストラリア(ゴールドコースト)/2005年ポルトガル(リスボン)/2006年マレーシア(クアラルンプール)/2006年インドネシア(バリ)/2007年中国(北京)/2008年中国(北京)/2009年フランス(ストラスブール)/2010年アメリカ(サンフランシスコ)/2011年ブラジル(サンパウロ)/2012年インドネシア(バンドン)/2013年オーストラリア(シドニー)/2014年アメリカ(ヒューストン)/2015年カナダ(トロント)/2016年日本(東京/つくば)

中医臨床 通巻140号(Vol.36-No.1)特集/難病治療のカギ「痰」とその治療

『中医臨床』通巻140号(Vol.36-No.1)より転載

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