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広州で増える清熱解毒剤の消費

 昨今、中国では清熱解毒系の生薬や顆粒の消費が伸びている。SFDA南方医薬経済研究所が発表したデーターでは、広州市内の薬局で販売された清熱解毒系の薬は、2005年度の同時期と比較しても15%の増加となっている。

 清熱解毒系の顆粒としては、夏桑菊顆粒や王老吉顆粒、板藍根顆粒などが有名で、広州で売られている清熱解毒系の顆粒のうち、売り上げの多いものはいずれも広州のメーカーで作られたものとなっている。

 安宮牛黄丸をベースに開発された清開霊は、顆粒のほかにも液状のもの、カプセル、注射剤などもあり、中国の病院では広く使われている。広州にある白雲山和黄中薬廠が製造している板藍根顆粒、大神口炎清顆粒、消炎顆粒、消炎利胆顆粒、そして循環器系で広く用いられる複方丹参片は売り上げの多い中成薬として「四天王」と呼ばれている。最近では、清熱解毒作用のある穿心蓮を使った穿心蓮片の生産を増強するために、広州に清遠白雲山穿心蓮GAP基地を作り、年間 300万元(約4500万円)を投資して、2010年を目標に中国最大の穿心蓮製造基地を建設する。

 西洋医学の抗生物質と比べると、清熱解毒剤の副作用は少ないというのが市民の一般的な考え方だが、それよりも中国南方地方にある「去火」文化の影響も大きい。

 南方では夏の暑さが並ではないため、涼茶などを飲んで体の暑さをとる習慣がある。それと関連して、広東省など中国の南方では、夏に板藍根顆粒の売り上げが伸びる一方で、北京など北方では冬場の寒くて乾燥し、風邪が流行しやすい時期に清熱解毒剤の売り上げが伸びるわけだ。しかし、北方では清熱解毒剤は中医の抗生物質程度の認識しかないといわれている。よって、北方では広東省ほど「去火」の習慣がないため、広東省で生産している清熱解毒剤の70%は広州で消費されているというわけだ。

 中国は広く、気候も文化も違うため、中医薬の使い方でも大きな違いがあるのは興味深い。

  

出典:羊城晩報 2006年8月22日 
担当:山之内 淳

 

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