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中国全人代で討論されている現代中医学の問題点 

 本場中国での中医学をいかに発展させるか、というテーマに関して、現在開催されている全人代で広く討論されている。
 
 この中で、いろいろな問題点が指摘されているので、ここで少し紹介してみる。

 まず、問題となっているのが「中医薬の評価システム」に関してだ。
 たとえば、人材評価システムに関して、中医学の医師としての資格をアップしていくには、さまざまな公的試験が課されるが、そのなかで外国語も必修となっている。ところが、多くの治療実績があり実力ある民間の中医師の中には、外国語がネックとなってこの資格試験がなかなかパスできず、主治医や主任医師の資格が取れないでいる現状が指摘されている。人材の育成という点で、大きなネックとなっている。

 また、西洋医学の評価体制でもって、中医学の効果を判断する点に関しても最近疑問が指摘されている。つまり、中医学で患者に効果が出ても、西洋医学の世界ではほとんど認められないという現実もある。中医学の治療法が科学的でないという考え方がいまだに根強い。そして、中医学の人材の多くが、西洋医学へ流れてしまい、優秀な人材が欠乏している点も問題となっている。

 行政の問題点も指摘されている。一般的に、中国でも経費や人材投入に関しても、西洋医学を重視し、中医学を軽視する状況が多くみられ、地方政府のなかにはまだ独立した中医薬管理局すらもっていないところが多い。

 政府が主導となっていかに中医学を盛り上げていくかは、中国でも大きな問題となっている。

  

出典:羊城晩報 2006年3月8日 
担当:山之内 淳


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