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SARS後の大腿骨頭壊死症に中医学が有効 

 2005年12月に広州で開催された全国中医骨傷科中青年学術論壇にて、ステロイドの大量投与による大腿骨頭壊死症に関して、中医学を使った治療が有効であることを、20年間にわたる臨床実験の末、明らかになった。

 そのほか、北京で2003年に発生したSARS患者治癒者のうち、ステロイドの大量投与などの影響で大腿骨頭壊死症を患った患者のうち、中医および中西医結合による治療グループが、QOLなどにおいても効果が上がっていることが明らかになっている。

 今回の研究を行った北京望京医院の陳衛衡教授によれば、今回の研究課題は中国政府の863重点研究課題として行われ、これまでに113例のSARS後の大腿骨頭壊死症の治療を行ってきたという。主に、北京地区の医療関係者や一般市民が中心で、SARS流行期間中に最小でも750ミリグラム、最大では30000ミリグラムのステロイド治療が行われていた。さらに最長では110日間使用された。この結果、五大関節のほかに、100例(88%)の患者で大腿骨頭壊死症が発症した。これら患者を中医学と中西医結合の方法で治療したところ、中医学を使った患者では62%、中西医結合を使った患者では64%で治療効果が見られた。

 さらに、広州中医薬大学第一付属医院では、中医創傷骨科AO技術推広基地を設立、中国の重点科に指定されてる広州中医薬大学第一付属医院の骨傷科では、今後も幅広い研究を行っていく。この病院では、20年前から中医学による大腿骨頭壊死症の治療研究を行っており、中国では最も歴史が古い。これまでに1万例の大腿骨頭壊死症の患者を治療してきた。

 大腿骨頭壊死症に関して、最近ではステロイド服用患者以外にも北方の漁民を中心に強い酒類(40℃以上)を毎日250グラムを5年連続で服用した場合にも大腿骨頭壊死症が発生しやすいとして注意を呼びかけている。ステロイドの長期服用者では、SLE患者に大腿骨頭壊死症が多いというデータも発表されている。
 

出典:羊城晩報 2005年12月  
担当:岸田 賢治


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