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中医医院の西洋医学化、人々の関心を集める 

 新華社(石家庄)が書いた記事だが、最近の中国の一部の総合病院の様子を如実に示している。
 中国では大型中医総合病院を多く見かける。しかし、「枕(脈ととるために患者が手を置くクッション)をおいておきながら、処方するのは西洋医学」と皮肉られるほど、一部の中医病院では西洋医学が盛んに使われ、中医学の特色が消えつつあることに、危機感を感じる。
 たとえば河北省の場合。河北省衛生廳の王玉梅衛生廳長によれば、現在河北省には各県に1箇所あわせて130箇所の中医医院が設置されている。どれも省の審査をパスした医院だが、最近河北省中医薬管理局が検査を行ったところ、中医医院なのにまずはじめに行うのは西洋医学の検査であり、入院すればほとんどが西洋医学の治療、中薬の使用率の低下、一般患者の中医医院への信用低下などの問題が普遍的に見られるという。
 この原因の一つに、中医医院の大部分が、実は80年代初めにあった衛生院や県の病院から発展してきたケースが多いことに関係がある。もともと西洋医学の病院であったところに、中医学を導入するにはそもそも無理があるわけで、整備が進まず、さらに国の中医学に対する補助が削減されたりするなかで、検査によって利益を上げようとする動きがあることが否定できない。CTや電子胃カメラなどをどんどん導入する一方で、肝心の中医学に関して疎かになる傾向が見られるというわけだ。
 2005年に入って、1月6日に中国の厚生労働省にあたる衛生部の常務副部長高強氏が、中医学はその特色を生かしてこそ生存できるのであり、それがなくなれば、もはや中医学とは呼べないと訴えている。そのため、中医学に携わる一人ひとりがその長点と特色を保持して信念をもって取り込むべきであるとしている。
 河北省ではこれら調査の結果を受けて、「中医学を中心にして西洋化しない、まず中医学そして西洋医学、中西医結合」の原則のもと、中医病院の発展を支援していくことになった。さらに定期的に検査を行い、もし西洋化が著しい場合は、病院から「中医」の看板を撤回させることも視野に入れている。 

出典:新華社(石家庄) 
担当:藤田 康介


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