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マラリア治療に生薬「青蒿」、WHOが重慶に大量発注、アフリカ向け 

 マラリアのことは、中医学で「瘧疾」と呼ぶ。WHOは1998年からマラリア撲滅へ世界的な行動を起こしている。計画では12年の間でマラリアで死亡する患者を半減させるというものだ。ところが、現在のところ減少するどころか、増加する傾向さえある。さらにマラリアに使う新薬が効かないという新たな問題が発生し、WHOが2003年に購入した4140万米ドルの新薬の有効性にも疑問が投げかけれらている。その一方で、1830万米ドルを使って購入した青蒿を原料にした新薬にマラリアに対する効果が確認され、すでに2005年に1億人分の青蒿を原料にした新薬の購入を予定している。
 中医学における青蒿を利用した瘧疾の治療の歴史は古い。葛洪の『肘後備急方』にはすでに記載がある。1960年に入って、中国でも研究が進み、青蒿がマラリアの治療に有効であることが確認されたものの、80年代にはいっても欧米各国の十分な認証が得られず、重視されなかった。ところが昨今になって一部の西洋医学の新薬でマラリアが効かないことがわかり、再び中医薬、とくに青蒿に注目が集まってきた。
 WHOが着目したのは重慶市のなかでも、さらに奥地にある酋陽苗族士家族自治県で、このあたりで栽培されている青蒿の品質には以前から定評があった。その鍵は、有効成分であるArteannuinの含有量で、この地区で栽培された青蒿ではArteannuinの含有量が他の地区よりも多いことが分かった。日照時間が短く、降雨が多い、さらに気温が低いという条件が青蒿の栽培にもってこいというわけだ。貧困に苦しむ農村地帯にとっても、うれしい話だ。 

出典:新聞晨報 2004年8月13日より抜粋 
担当:山之内 淳 整理


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