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いざというときに使える中医学の救急術 

 中国の中医師で、とくに鍼灸科を担当している医師はかばんに針セットを忍ばせていることはよく聞く。飛行機の中で、虫垂炎の患者が出たときに、応急処置をして患者の痛みを和らげてあげたというエピソードは多い。今回は最近中国の鉄道の中であった出来事が新聞に紹介されている。
 7月24日の午前11時ごろ、北京発石家庄行きの515次の特急列車で、ある女性の高齢者が喘息の発作に見舞われた。もともとアレルギー体質で喘息もちのこの女性は、急に話をすることができなくなり、顔色もみるみる青ざめ、眼からは涙が止まらなくなった。これを見た斜め向かいに座っていた女性が車掌長に連絡、放送で医師が乗車していないか救援を求めた。
 この放送を聞いて、西洋医師数人と一人の中医師が駆けつけた。西洋医師は、この患者はすでに心機能が衰えているとし、すぐに最寄の駅に停車して病院に運ぶべきだとするものの、最寄駅に到着するまであとまだかなり時間がある。それまで、患者を放っておくわけにはいかない。そこで、駆けつけた中医師が応急処置をしてあげることになった。この中医師は、北京の海淀区医院で長年経験を積んだ「老中医」、李燕芬医師。まず患者の脈をとり、針などの道具がない状況下で、両手から腕にかけて心経と肺経の経穴を経絡に沿って指で刺激を与え、さらに腹部に按摩を施してあげたところ、この患者はしゃべれるようになった。
 救急車は駅に到着し、患者を病院に搬送しようとしたものの、患者は下車を拒否し、結局終点の目的地までこの中医師の付き添いで到着した。
 この患者の場合、列車のなかに漂う香水の匂いや、タバコの煙が喘息の発作をおこすきっかけになったようだ。現在は病状も安定し、自宅で静養しているという。 

出典:中国中医薬報から抜粋 
担当:山之内 淳


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