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中医学と西洋医学を用いたIgA腎症の治療成果 

 腎臓病の中でもよくみられ、治療が比較的難しいとされているIgA腎症の治療に、中国全国の中医医院では西洋医学と中医学を併用した治療方法で治療に取り組んでいる。今回は全国中医腎臓病医療センターの一つに指定されている杭州市中医医院の王永鈞教授らのグループで、中医学と西洋医学を用いた聨合治療案の研究結果を発表した。その中で、IgA腎症の症状を抑えるには一定の効果があるとし、134名の患者のうち半分以上の患者で改善が見られたほか、腎生検を2回以上行った患者のデータもとり、病理組織が悪化する速度を抑えられたとしている。対象となった134例の患者は、腎気陰両虚の症状が中心で、さらに脈絡瘀阻害と風湿内擾の症状を併発している場合が多く、さらに風熱上擾、下焦湿熱を加えた5つの弁証治療から分析を加えている。中国では一般的に腎臓病の患者の多くは初期の状態から中医学の生薬とステロイドなどの西洋医薬を併用した治療方法、もしくはたとえば上海中医薬大学付属龍華病院の陳以平教授らのグループでは膜性腎症において生薬だけの治療でも効果をあげており、完治した症例も少なくない。特に再発防止には威力を発揮している。そのため、中国の大都市部の西洋医学の病院でさえも、腎臓病治療に関して生薬治療を積極的に用いているところも多い。筆者も臨床で患者を観察していると尿蛋白、貧血、血清クレアチニン(Scr)の値の悪化速度を抑え、透析までの時間を延長させるなどに一定の効果が見られている。腎臓病の治療では西洋医学と中医学の伝統的な治療法が絶妙に組み合わさっているといえるかもしれない。たとえば腎移植後にも体調のバランスを整えるために生薬を服用する患者も少なくない。ただ生薬治療の場合、生薬を服用する期間がどうしても長くなる場合が多く、患者と医者の連携プレーになる。今後の研究成果が期待できる分野でもある。 

出典: 
担当:藤田 康介


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