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灸法に光を!江西省中医院の試み

江西省中医院の針灸科では、中医学で伝統的な灸法の特色を生かした治療法を積極的に導入して注目を浴びている。
 
 最近の中国の中医学では、針灸のうち、針の応用症例は多い一方で、灸に関しては、いまひとつ針灸医師の関心が低い。そんな中で、伝統的な灸法の特色を生かし、治療に積極的に活用して成果をあげているのが、江西省中医院だ。

 江西省中医院の陳日主任医師は、灸法の研究に力をいれ、実際の臨床において、灸法にも針と同じような経絡感応を発生させ、灸法による治療効果を高めている。そして、人体の経穴には静止している状態と、敏感な状態の2つの状態があり、灸法はそのうちでも熱に敏感な経穴に効果を発揮することを確認している。

 この陳日主任医師の「開通経絡灸療術」は、患者の体表の熱に敏感な経穴を刺激することにより、経絡感応を増幅させ、気の運行力を高め、患部に気を届かせることができるとしている。この理論のもとで、痛みがなくさらに傷跡が残らない灸法など、独自の灸法を実践している。

 主に、中風による後遺症や、顔面部の神経系疾患、脊椎や関節の疾患に効果があり、患者からも好評。そのほか、内科・婦人科・小児科など疾患にも応用されている。

 江西省中医院では、中医学の特色ある治療を看板に、さまざまな取り組みが行われている。これら取り組みの結果、針灸科の外来患者数は2002年の年間3万人の低迷状態から、2005年では8万人にまで増加、また針灸科の入院患者も従来の年間360人から600人程度まで大幅に増えた。

 この新しい灸法の今後の研究成果に期待したいところである。 

出典:中国中医薬報 2006年5月11日 
担当:山之内 淳


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