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「雪茶」の問題 

 2003年12月22日のasahi.comで、福岡の母娘がダイエット用にインターネットで中国製ダイエット茶を購入し、肝障害になったことが報道されている。厚生労働省の発表では、この中国製ダイエット茶の名前を「雪茶」としている。日本では「スノーテイー」などの名前で、健康茶として売られている。この母娘はインターネットで購入、その後8月下旬から約3カ月間にわたり、5社が販売した雪茶を煮出して1日約1リットル飲んでいた。母は10月下旬、血液検査で肝機能の数値が異常になり、動悸などの症状が出た。娘は11月から急激に食欲がなくなって体重が減り、入院した。2人は雪茶の飲用を中止した後、症状は回復に向かったとしている。
 さて、この雪茶であるが、海抜4000メートル以上の高山にのみ生息するムシゴケを乾燥させたもので、雲南地方の名産物の一つだ。高山でかつ日陰のじめじめしたところに生息する。人工栽培が難しいため、貴重なお茶の一つでもある。形状が菊の花びらに似ていて、色が白く、別名「麗江雪茶」とも言われている。麗江は世界文化遺産にも指定されている町並みが残る雲南でも有数の観光地だ。 中医学的には性涼、味甘とされており、その効能は清熱解毒、滋陰潤肺、生津止咳、平肝降火、明目などが挙げられる。実は、飲用される歴史は古く、明の時代には皇帝に献上するお茶として、また古代書籍には中薬学でおなじみの「本草綱目拾遺」にも記載がある。筆者も雲南に行ったときに飲んだことがある。不思議なもので、飲んだすぐは苦く感じるものの、だんだんと口の中がほろ甘く感じてくる。地元の人の話によると、喉が痛いときなど雪茶を口の中に含み、少し噛むとすぐに痛みが和らぐらしい。
 よく似たもので「紅雪茶」も売られている。こちらは名前の通り色は鉄錆色をしている。味はほとんど同じだが、こちらのほうが若干苦い。いずれにしろ、お茶として飲む量はほんの少しでよい。一般的に1回2グラムから4グラム前後をお湯に溶かす。これらお茶は身体によいことは確かだが、そうガブガブと飲むものでもない。どんな食品でも過度に摂取しすぎると、身体に害を及ぼす。 

出典:asahi.com, 厚生労働省のHPから参照 
担当:山之内淳


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