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上海の公立病院鍼灸科、鍼灸美容の導入に活路

最近、上海の一部病院で美容や整形などの項目を取り入れた治療を行うところが増えてきている。この中で、鍼灸美容を取り入れている上海第八人民医院の鍼灸ダイエット外来についての記事があった。
 上海では人々の所得の向上にともなって、美容の分野への一般市民の関心が高まっており、中国全体でも大きなマーケットに成長しつつある。これに注目したのが、新たな市場を獲得しようと必死な医療業界だ。上海でも外資系病院や私立病院が増えるに従って、公立病院も競争の渦に巻き込まれることは必死だ。そこで、中医関係の医療機関でも美容の分野に乗り出すところが増えてきている。
 上海第八人民医院では鍼灸ダイエット外来を設立し、ダイエットと美容を鍼灸で行う試みが行われている。外来患者としてやってくる人の70%以上は患者というよりも、ダイエットや美容の目的にやってくる人たちだという。
 この中医美容に注目している病院は、上海第八人民医院以外にも長寧区に設立中の特需医療中心や文華医院、市内有数の大病院である瑞金医院など多く、今後この美容市場に進出すべく特別な中医外来を設立しようとする動きが出ている。
 ただ、一般に中国の美容業界では規制が不十分で、誇大広告や治療後の副作用の問題など、まだまだ解決しなければならない問題が多い。中には下剤や利尿剤の悪用、薬を使って食欲を抑えたりしてダイエットをするなど、健康被害が跡を絶たない。中には拒食症になってしまう人もいる。そこに医療機関が入り込むことには、市民から歓迎されているのは確かだ。上海第八人民医院の鍼灸ダイエット科によると、この科では主に鍼灸を使うだけで、薬などを服用する必要はないという。鍼灸によって体の陰陽平衡を保つのが目的で、そこから余分な脂肪を除去しようという発想だ。
 2005年から上海では営利目的の病院の開設が順次認められ、外資や民間病院への医療市場の開放が進む計画になっており、杭州でも外資を導入した外国人を対象にした病院の設立を奨励している。中国の公立病院も今までの経営モデルだけでは、競争に生き残れないというのは確かで、さまざまな模索が行われることだろう。 

出典:東方早報 2004年5月13日


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