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中薬によるSARS臨床研究を開始

北京市中医管理局と北京中西医結合学会は、このたび共同で「中医薬SARS治療討論会」を開催した。(中国中医薬報、5月9日)

 本討論会には、中国中医研究院・北京中医薬大学・中日友好病院・北京友誼病院・北京地壇病院・北京佑安病院・北京中西医結合病院などに所属する多数の専門家が参加した。この討論会の趣旨は、有効性が期待される中薬によるSARS治療方案を策定し、SARSの予防・治療に対する中薬の臨床研究をより確実なものにすることにあった。

 SARSが北京で拡大した直後、北京市中医管理局はSARSの予防・治療方案を作成し、また専門家を組織して北京北京地壇病院や北京佑安病院の臨床経験をまとめた。専門家たちは中西医結合治療の優勢を十分に発揮し、SARSの治療水準を高めていくべきだと指摘している。

 本討論会では、国家中医薬管理局が出した「中薬によるSARS予防治療方案」、北京中医管理局が出した「北京地区・中薬によるSARS予防治療方案」に、さらに「広州・中薬によるSARS予防治療経験」を参照し、北京地区の状況を考慮に入れて、SARSの臨床症状に対応した4つの基本処方を公表し、中薬治療臨床方案を作り上げた。

 また北京中医管理局は4月中旬より、北京地壇病院・北京佑安病院・北京市中西医結合病院などのSARS指定病院に対し、中薬による「SARS予防治療の臨床研究」という研究課題が出された。この課題は国家中医薬管理局の特別指定項目に認定されており、中国中医研究院もこの課題の研究に大いに参与している。

 研究課題を受け、本討論会にも北京友誼病院・中国研究院広安門医院・西苑医院・望京医院などが参加して「中医薬連合・関門突破科学研究共同作業チーム」が結成され、診断の統一やすぐれた治療方案の作成が行われ、中西医結合を駆使したSARS治療が進んでいる。そのなかで、とくに病状の緩和・治療効果の向上・死亡率の低下・回復時間の短縮などにおいて、中薬の特徴を生かした科学的な臨床研究を行い、効果が高く適用可能な治療方案を短期間で提供するための努力が続けられている。

 中医研究院では、すでに課題であった「トップ方案の設定」や「データバンクの設立」などを終了し、各臨床研究部門の責任者や治療者の決定や研究用機材の準備が行われている。

 本討論会の各部門によって、中医学的なSARSの病因・病機・弁証・治則・治法などが明らかにされ、治療効果の向上・病状の緩和・死亡率の抑制を達成するためには中西医結合によるSARS治療方案は必須だと強調された。

 [2003年5月9日]
(北京中薬大学大学院 博士課程 水野海騰 訳)

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