中医学の東洋学術出版社：中国最新情報

　武術で有名な少林寺。

　実は、この少林寺に1000年以上の歴史を誇る伝統医学が伝わっている。中国では「少林医宗」、「少林薬局」といわれて、「中国仏門医宗」として独特の医学派として非常に名高い。少林寺では、薬局内でそれぞれの僧侶の得意とする術により、大きく3つのグループに分かれている。

　まず、一つは武術を中心としたグループで、主に経穴学を利用して推拿や針灸などの総合的な治療法を目指す。また、養生として患者の健康指導も行う。
　また、生薬を使ったグループでは、秘伝の加工法に加えて、さまざまな丸薬や膏薬が伝わっていて、治療に用いられる。
　さらに、少林寺の禅を使ったグループでは、禅を使って心身的な修行を積む。

　少林寺では、2006年10月より山門の傍らに「少林薬局」を開設し、生薬の配合なども行っている。180万元を投資して、診療に必要な「医療衛生執業許可証」も取得し、患者も訪れるようになった。

　少林寺での治療の特徴として、やはり仏教と気功・推拿・針灸の融合が大きいだろう。禅の教えを中心に、精神的な治療も行っている。　

出典：鄭州晩報　2007年1月　
担当：岸田　賢治