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上海でも増える按摩の事故、医療と美容の違い 

 中国でも人々の生活レベルが向上するにしたがって、美容で按摩に通う人も増えつつある。しかし上海の病院では、誤った按摩により体に支障をきたしてやってくる患者も少なくない。上海第ニ医科大学附属瑞金医院傷科(整形外科)の杜寧主任によれば、もし体に問題があれば、市井の美容院などで按摩を受けるのではなく、まず病院にいって治療を受けて欲しいと訴えている。
 ある50代の上海の女性は、友達と美容院にいって按摩を受けた。その時、按摩をしていた人が、すこし力を入れた手技を使ったところ、「グキ」と音がして、腰が痛むようになった。そこで、病院に出かけて放射線で撮影したところ、第2腰椎横突骨折と診断された。また頚椎の按摩でも、按摩を受けたときは問題がなかったが、翌日に首に違和感を感じ動くことが出来なくなった。そこで調べると脱臼していることが分かった。
 上海ではまだ無資格で按摩を客に施しているところが少なくなく、さらに担当者が人体の解剖や経穴などの知識に乏しく、最終的に男女・老人・若者に関わりなく同じように按摩を施しているところがあるという。とくに骨粗しょう症などの疾患がある場合は要注意だ。
 一般に、整形外科で施される按摩(推拿)と美容院の按摩は根本的に手技が異なる。とくに整形外科では治療目的に行われるため、専門的な手技を用いる。もちろん、上海でも治療目的に行う施設では、医療行為を行うための許可証の取得が義務付けられている。
 また、患者側も一般の美容院などで健康維持やリラックス目的で治療を受ける場合は、高血圧や心臓疾患、骨粗しょう症、皮膚病などの疾患があれば、控える必要がある。もし盲目的に按摩を行うと、疾患が再発する可能性も否定できない。また空腹時や満腹時には按摩は避けなければならない。 さらに頚部に痛みがある場合も、按摩は避けて、まずX線で検査を受けて中医学の推拿医師や、病院の整形外科で診断を受ける必要がある。
 中国で按摩(マッサージ)を受ける人が増えてきているが、最低限の注意は守って、事故のないように自己防衛はしておきたいところだ。 

出典:新聞晨報 2004年1月24日 
担当:岸田 憲次


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