中医学の東洋学術出版社：中国最新情報

　都市生活のストレスで、睡眠不足や不眠症になる上海人が多い中、上海の巷で人気がでてきているのが、「中薬枕」だ。中国では枕に蕎麦などを入れることが多いが、ここに生薬を入れて健康効果をうたっている。広告などを見ると、高血圧や不眠症、中には頸椎のトラブルにも効果があるとしている。
　こういった現象について、上海の中医学の専門家たちは、枕の中に生薬を入れただけで、期待した効果が得られる可能性は極めて低いと指摘していて、業者のふれこみに惑わされないように市民に呼びかけている。
　値段は30元（約480円）～50元（約800円）程度と様々で、中に入れられている生薬は、菊花やジャスミン、決明子などもあるという。
　中薬枕が、睡眠にどの程度影響をもたらすかは、まだ科学的な研究結果が出ていないとし、盲目的に購入しないように呼びかけている。ただ、発想としてはおもしろいので、今後何かの研究成果が発表されるかもしれない。（2007年8月記　岸田賢治）