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肺炎球菌に抗生物質が効かない!中国の小児科で急増

 中国の衛生部門が、北京・上海・広州・深センの4地区の児童に対して抗生物質の耐性菌の調査を行ったところ、9割の患者で耐性菌が検出され、特に広州の児童で深刻化していることが明らかになった。
 今回の調査では、5歳以下の2865人が対象となっている。特に、肺炎球菌の耐性菌の問題が重大で、ペニシリンが効かない人が70%、セフロキシムが効かない人が65.6%、またエリスロマイシンに関しては効かない人が99.6%に達した。さらに、北京・上海・広州の3カ所の小児科外来で、1ヶ月~5歳の患者の調査を行ったところ、複数の抗生物質に対して耐性がある児童の割合が88.7%に達した。
 特に、広州市では他の3地区と比較すると耐性菌を持つ児童の数が多いことがわかっている。肺炎球菌は、抗生物質を使って治療することが多いが、最近の中国都市部では抗生物質の使いすぎによる弊害が増大している。さらに、肺炎球菌に対して効果があるとされていたペニシリン系や第2世代セフェム系が効かなくなり、量を増やしたり、第3世代セフェム系の抗生物質を使うケースが増えている。その結果、医療コストが増大して耐性菌が増えるなど悪循環となっている。
 全世界的に肺炎球菌に対する予防接種が行われ始めているが、中国では2008年より実施される見込みだ。(2007年9月記 山之内 淳)

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