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中国での化粧品に「中草薬」の言葉が使えなくなる法的規制

 中国でも化粧品に中薬を使って、健康志向をアピールする製品が急増している。ただ、誇大表現をしている製品も少なくなく、消費者に対して紛らわしく感じることも多い。そんななかで、中国政府は『化粧品のラベルに関する管理規範』の制定を検討している。この中で、100あまりの禁止語句が決められたが、その中に中医学でよく使われる言葉である「中草薬」が指定された。こうした動きに対して、中国国内の化粧品会社はとまどいを隠せない。
 今回、化粧品の禁止語句に指定された言葉には、たとえば疾患の治療をほのめかすような言葉、効能を誇張したような言葉、さらに医学用語も含まれていて、例えば「細胞再生」や「免疫力」などの言葉も使えなくなる。この医学用語の中に「中草薬」も含まれた形だ。そこで「中草薬」という言葉の代わりに、「天然植物配方」という言葉を使うように指導されている。確かに、国外では「薬」という言葉を化粧品に使えなくしているところは多いが、これは、もともと中薬を化粧品に使っている中国の企業にとってはかなり痛手だ。

 中国人女性の健康に対する意識の高まりで、生薬を武器に成長した中国の化粧品メーカーは多い。例えば、上海のブランドである「佰草集」は、国外の有名ブランドと拮抗するほどの人気を持っている。生薬を原材料とした化粧品で、年間の売上高は4億元にもなる。そのほか、生薬を使ったシャンプーや歯磨き粉など各社が進出している。年間10億元の売り上げを上げていると言われている「六神」ボディーソープは、6種類の生薬を原料に作られているが、これから海外への進出を目指しているだけに、「中草薬」の言葉の使用禁止は頭が痛い問題だ。業界の統計では、「中草薬」をうたった中国国産化粧品の年間売上高は100億元になるという試算もある。そうした中、日本など海外の化粧品メーカーも生薬を使った製品の中国への投入を試みるなど、競争が激化しつつある。

こうした一連の動きに、上海の地元紙『新民晩報』は、単に「中草薬」などの名称を規制するより、生薬の配合量や化粧品としての品質を高めるなどの規制で、化粧品業界そのもののレベルを上げることが大切だと論評している。確かに、名前やパッケージ以前に、品質そのものを高めた方が、競争力が高まるだろう。(2007年10月記・山之内 淳

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