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上海市の第十一5カ年計画での中医学関連事業

 上海市衛生局は、第十一5カ年計画で、市内の地域医療での中医学の応用を進めるが、この中で、各地区の「社区衛生服務センター」での診察で、外来患者では85%以上、入院患者では50%以上で中医学を使うことを奨励するとした。
 現在、上海市内には中医学もしくは中西医結合病院のベッド数は6660床あり、中医学の医師(助理医師も含む)は7298人で、市内の区・県には最低1カ所の中医関係の公立医療機関が存在する。さらに、187カ所の総合病院と、212カ所の社区衛生服務センターでは、中医科もしくは中西医結合科が設置されていて、上海市全体に網羅されている。特に、社区衛生服務センターでは、90%以上で中医科が設立されていて、針灸や推拿も臨床で応用されている。さらに、悪性腫瘍や糖尿病による壊疽、毒蛇に噛まれたケース、整形外科、婦人科などの分野では、研究活動も行われている。
 こうした実績をふまえて、上海市では2010年を目標に、さらに市内の地域医療の分野に中医学を拡大し、とくに社区衛生服務センターでは100%の病院で中医科が設立されることを目指す。また、各病院で10項目以上の安全で簡便、さらに医療技術としてもレベルの高い中医治療を導入し、普及を図る一方、100項目の中医学治療にふさわしい疾患の治療技術の訓練と応用を医療関係者に行う。
 このほか、上海市では市内の総合病院1カ所を全国の中医臨床研究基地、2~3カ所を全国の重点中医医院(中西医結合医院)、2~3カ所を中医治療に特色がある2級中医病院としての指定が受けられるように力を入れるとしている。(2007年11月記 山之内 淳

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