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中医学の伝統的な継承者にも医師資格の取得を可能に

 中国国家中医薬管理局は11月7日に記者会見を行い、新たに『伝統医学師継承和確有専長人員医師資格考核考試弁法』を中国全土で実施することを明らかにした。
 この制度では、師匠などについて中医や民族医学を学んできた者で、学歴などの問題で医師資格試験の受験ができない者に対し、一定の基準を満たせば助理医師資格試験の受験が認められる。これまで中医薬大学などの教育機関の卒業生にしか認めていなかった医師資格の門戸を広げるものとして注目される。

 具体的には、高卒以上、あるいはそれと同等の学力を有すること。また、師匠となる医師は中医もしくは民族医学の職業医師資格を有し、臨床活動を15年以上行っている、あるいは中医もしくは民族医学の副主任医師の資格を有していること、などが条件となる。さらに、師弟関係に関しては、中医薬管理局が定めた書式で契約を結び、公証役場で公証を受けていることが前提となる。

 師匠の元で満3年学ぶことで、各省の中医薬管理部門が行う予備試験への申請・参加が可能となる。この試験では、伝統医学の基礎的な知識や技能、および師匠の学術経験や医療技術を習得できているかを審査し、西洋医学の知識は原則として問われない。この予備試験に合格した後、病院で1年間実習を行えば、助理医師資格試験の受験資格が与えられる。

 こうした制度を導入することにより、地方に多い民間の有効な中医学・民族伝統医学を積極的に臨床で活用することができるほか、中医学の伝統的な継承による医療技術の習得方式を残すことができ、中医薬学校の育成とは異なった中医師養成の新たな道がつくられることになる。(2007年11月 中国中医薬報 岸田賢治)

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