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中国の刻み生薬製薬会社、GMP認定の企業は3割未満

 2008年1月1日より、中医薬系の刻み生薬を製造する製薬会社もすべて『薬品生産質量管理規範(GMP)』の認定を受けなければならないが、全国の刻み生薬を製造する製薬会社で認定を受けているのは30%にも満たず、多くの製薬会社で2008年1月1日以降操業できなくなる可能性も出てきた。広東省食品薬品監督管理局は、今後もGMP認定の基準を下げるつもりはないし、また2008年1月1日という期限も延長することはないと明言しているだけに、製薬会社の動向が気になる。
 GMP認定に関して、2003年6月より中国国家食品薬品監督管理局は、中医薬の刻み生薬を製造する製薬業者に対しても、試験的にGMP認定を受けるように作業を進めてきた。そして、2005年1月1日より正式に認定作業を行ってきた。この結果、2008年1月1日より、すべてGMP基準下で刻み生薬を製造しないといけないことになった。もし認定を受けていなければ、製造は停止されることになる。

 この背景には、現在中国での刻み生薬製造の過程で抱えている問題が挙げられる。関係者によると、未だに多くの刻み生薬製造業者は、小規模で製造技術も時代に遅れたものが多く、薬材の生産・保管に関しても乱雑で混乱していることが多い。さらに、生産や品質に関する基準が低く、安定した良質な刻み生薬を供給することが難しいという。そのため、GMP認定を活用した規範化が強く求められていた。

 しかし、多くの業者は資金面などの問題でGMP認証を受けるための投資ができないのも現実で、ある広州の大手刻み生薬製造会社は、このために500万元(約8000万円)の投資を行ったという。現実には零細業者が多い刻み生薬製造業者では、赤字経営のところも多く、とても投資できるような状態ではない。さらに、現在の制度ではGMP認定を受けた業者と受けていない業者とで、刻み生薬の価格面での違いがほとんどなく、メリットが少ないとし、多くの業者では模様眺めなのが現実のようだ。

 中国の場合、刻み生薬の値段は、非常に低く抑えられていて、新薬と比べても圧倒的に安い。そのため、庶民でも気軽に服用できるメリットがあるが、生薬に対するGMP認定制度が今後中国の刻み生薬にどのような影響をもたらすのか、注目される。(2007年11月記 山之内 淳

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