サイト内キーワード検索


お問い合せ

東洋学術出版社

〒272-0021
 千葉県市川市八幡
 2-16-15-405

販売部

  TEL:047-321-4428
  FAX:047-321-4429

編集部

  TEL:047-335-6780
  FAX:047-300-0565

▼中国最新情報

« 中国最新情報 トップに戻る

2008年、中国で薬局での中医師による診療を解禁

 中医学というと、生薬棚がたくさん並んだ中医薬局での診察がイメージされるが、実は中国では長い間禁止されていた。
 2001年に禁止令が出され、薬局での医師による診察や医療相談などは一切認められなかった。しかし、中医学の伝統として、中医生薬薬局での診察を復活して欲しいという声は前々からあった。
 そこで、中国国家中医薬管理局では、2007年度から河北省・遼寧省・江西省などで中医生薬薬局での中医師による診察行為を条件付きで試験的に復活させた。そして、2008年より中国全国でも解禁されることになった。
 すでに、上海エリアでは100を越える中医薬局が市衛生局の許可を受けており、診察も始まっている。上海市衛生局中医処によれば、中医学の普及のためにも今回の解禁は有効であるという考え方を示しているものの、中医薬局での医療行為を推し進めるものではないとコメントしている。実際、許可を得るためには50平米以上の面積や、中医師のほかに薬剤師を常駐させ、独立した診察室を設置するなどの規定がある。さらに、中医師は資格取得後、5年以上の臨床経験が必要で、処方できる薬は生薬に限られ、西洋薬や中成薬、健康食品などは処方・販売できない。
 ただ、患者サイドからすれば、ちょっとした風邪などの病気なら、大病院の行列に並ぶ必要もなく、病院指定の薬を買わなくてもいいというメリットもある。とくに、上海の場合、薬局には病院よりも安く手に入る薬もある。
 今後、中医薬局での診療が爆発的に増えることはないにしろ、中医学の市場拡大には寄与するものと思われている。(2008年2月記 山之内 淳

ページトップへ戻る