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上海の訪問診療で使われる中医学

 上海市北部の閘北区彭浦鎮社区衛生サービスセンターに勤務する厳正医師は、自分の受け持つ地域の訪問診療を続けている。厳医師は、中医学の医師で、中風の後遺症の治療には独自の治療法を持っているとして地域でも有名な医師だった。各家庭も訪問し、中医学での訪問診療も行っている。
 さて、この住宅内の陳さんは、1970年代に脳梗塞を患い、その後機能が衰えて左半身が不随となり、自分で生活するのが困難になった。最近では寝たきりになりがちだったという。そこで、陳さんも厳医師の治療を受けることになった。
 厳医師は、陳さんにリハビリのためのプログラムを作成し、その中には毎週3回の電気針を組み合わせた針治療、さらに家族には経穴への刺激法を教え、実際に実行してもらった。すると、1週間の治療で自分で起き上がれる状態にまで回復したという。さらに、3ヶ月にわたって治療を続けた結果、自分の身の回りのことは自分でできるようにまでになった。今では、厳医師にマンションの鍵を預けるぐらいにまで信頼しているという。
 この厳正医師は1996年より訪問診療を続けているが、その当時そのエリアでは唯一の訪問診療をしている医師だった。多いときには、一人で54軒の家庭を受け持っていたという。そのあと、同僚スタッフも受け継ぎ、今では4人が診療訪問を行っていて、24軒を担当している。
 厳医師は、今でも自転車に乗って地域の家庭を訪問して診療しているそうだ。(2008年3月記 新民晩報より山之内 淳

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