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麝香保丸の成分が解明される

 中国の第十一5カ年計画で、中国科技重点プロジェクトにも指定されている「麝香保丸」の有効成分が解析されたと発表された。この中成薬は上海で開発されたもので、心臓病患者に使われている複合方剤。研究の結果、中には95種類の化学物質が含まれていて、今後生物学的研究がさらに深まるものと期待されている。また、複合方剤の化学成分を明らかにすることは、極めて画期的だとして注目されている。
 中薬複合方剤は、2種類以上の生薬が含まれていて、それぞれの成分が相互作用を起していると言われているが、中薬の標準化を進める上で、複合方剤の成分が不明なのは大きな障害となっていた。また、中医学では生薬が異なった臓腑、症候、器官に対して総合的に作用し、単純に西洋医学的な方式で成分研究をするには無理があった。
 麝香保心丸の処方は、中国の国家機密として明らかにされていないが、臨床上では非常によく使われる中成薬の一つで、今回の成分研究は中国人民解放軍第2軍医大学、精華大学などが行ってきた。95種類の化学物質、化学構造が明らかになったことで、中薬複合方剤の配合規則の解明が進む可能性も出てきた。(2008年6月記・山之内 淳

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