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中国で拡大する薬局での中医診察、『坐堂医診所』

 中国で中医学の診察ができるのは医療機関としての許可が必要であったが、国家中医薬管理局と中国衛生部では現在、薬局などで合法的に中医診療ができる『坐堂医診所』の制度を試験的に行ってきた。これまで、湖北省や黒竜江省、福建省など9つの省で許可してきたが、新たに1~2カ所の省(直轄地)を増やして『坐堂医診所』制度の拡大を図る。
 『坐堂医診所』は、中医学の伝統的な診療方法を継承する開業システムで、規定では400種以上の刻み生薬を薬局として所有していて、医師は5年以上の臨床経験(医師としての登録期間)があり、10平米以上の診察室を1~2部屋もち、必要な医療設備を完備しているというような条件がある。もともと中国にはこうした個人経営の診療所がたくさんあり、中医学の発展に大きく貢献してきた。しかし、法律の整備とともに合法的に開業することが難しくなってきたという背景もある。そこで、薬局をベースにした中医診療所の開設制度の充実を行っている。
 特に、こうした『坐堂医診所』は生薬代で利益を得ている場合が多いため、そのために健康食品を販売したり、法外な処方を発行して営利目的に走る危険性が心配されていた。現在は『中医坐堂医診所管理弁法』を定めて、監督管理を強化する方針で行われている。中国での中医学の裾野を広げる制度だけに今後どのように発展するのか期待が高まっている。(2008年7月記・山之内 淳

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