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現代版『本草綱目』を編纂するプロジェクト

 400年前に書かれた『本草綱目』を、現代の科学技術をつかって再び編纂し直すプロジェクトが中国ではじまっている。といっても、『本草綱目』そのものを編纂するわけではなく、現代科学技術の成果を集めてきて、植物資源のデーターベースを作るのが目的で、中国科学院大連化学物理研究所の梁鑫淼博士らのグループが提唱して検討が進められている。
 生薬の成分は非常に複雑で、まだ多くのメカニズムが明らかにされていない。そのため、国際的にもまだまだ認知が高くなく、例えば紅花油でも1万種類の化合物があると言われている中、これまでわかってきたものは100種類ほどしかないという。
 そのため、こうした生薬の有効成分を明らかにすることが、薬効成分と毒成分の違いを明らかにし、製薬業者は毒性分の除去も検討できるし、副作用の解明にも役立つ。また、広く国際的にも受け入れられるものを体系化することができるとしている。
 今回行われる『本草物質組計画』では、5年後を目標に、中医学薬理理論のもとで、30の処方と300種あまりの生薬を対象に研究し、12万種の標準グループと3万あまりの化合物データーベースを作り上げる。この300あまりの生薬は『本草綱目』の中に記載のあるものを選んでくる。
 現在、こうした薬材の選定作業が行われていて、臨床上で効果があるものを中心に生薬と処方の観点から検討されている。中国国家科技部では、現在2010年のプロジェクト開始を目指し、『本草物質組計画』への7000万米ドルの予算投入を検討しているという。(2008年8月記 山之内 淳

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