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上海浦東新区と宝山区で中医薬局での診療がはじまる

 中医薬局での中医師による診療行為は、中医学の伝統からすると極めて当たり前のことだったが、実は2001年に中国では禁止されてしまった。禁止された理由は、経済的利益のために高い生薬などを患者に売りつける行為が跡を絶たなかったからだ。

それ以降、原則医療機関として認められた薬局以外での中医診療は行われなかったが、2007年に中国国家中医薬管理局が瀋陽・長沙など8つの都市で中医薬局での中医診療を認めたため、徐々に復活へ動き出している。さらに、中国で初めての中医薬改革総合モデル地区に指定された上海市浦東新区でも、中医薬局での中医診療が復活することになった。上海市では、浦東新区以外に宝山区でも同様の取り組みが行われる。

 新しい規定では、どの薬局でも中医診療ができるというわけではない。まず、中医薬の刻み生薬を取り扱えるスペースがあり、その面積は50平米以上なければならない。さらに、取り扱っている刻み生薬の種類は400種類以上で、最大2カ所の診察室が必要。また、診察室の面積は最低15平米以上となっている。医療活動が行える医師は、病院や診療所、保健機構などでの臨床経験が5年以上なければならない。また、こうした条件に合致した薬局の診療所の名前は「○×中医坐堂医診所」と統一した呼び方に決められ、名医や専門家の名前をつけてはならないとしている。

 上海市浦浦東新区では童涵春童や蔡同徳、養和堂など老舗中医薬局がすでに申請を出しており、このうち10カ所に関しては中医坐堂医診所として認可される見込みだ。これら診療所では、中医師は煎じ薬の処方しか許されていない。もちろん、西洋薬や健康食品、中成薬の処方も禁止されている。中医学の新しい発展方式として、注目されている。(2009年1月記・医師 医学博士 藤田 康介)

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