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中国と英国,中薬を使った幹細胞分化メカニズムで共同研究

 英国ロンドン大学キングス・カレッジ幹細胞生物学研究所と上海中医薬大学附属曙光医院肝病研究所が共同で幹細胞分化を活性化する中医薬研究に乗り出す。

 キングス・カレッジ幹細胞生物学研究所所長のスティーブン・ミンガー博士が上海を訪れ、上海中医薬大学附属曙光医院肝病研究所の劉成海教授と共同研究の協定を結んだ。

 ロンドン大学キングス・カレッジ幹細胞生物学研究所は、英国で初めて人体胚胎幹細胞系の製作に成功した研究所の一つで、すでに様々な種類の幹細胞も培養・分離・分化などにも成功している。また、上海中医薬大学附属曙光病院の肝病研究所は現在骨髄幹細胞と中医薬の慢性肝臓病肝臓組織損傷に対する修復・再生に関する研究を行っている。

 2007年に英国と中国両政府が締結した科学技術合作プロジェクトのなかに、中医薬・西洋医薬の研究も6大合作プロジェクトの一つとして決められており、「中英科学技術計画」の生物医学領域での首席担当官でもあるスティーブン・ミンガー博士は、これまでに5回曙光病院を訪れ、学術交流を深めてきた。

 今回締結された協定では、まず第1段階として曙光病院肝病研究所側が文献資料および研究の基礎の部分、さらに中薬の成分を英国側に渡す。さらに、英国側ではこれら材料をもとに胚胎幹細胞の培養を行い、多機能性幹細胞など様々な幹細胞を誘導し、細胞やその機能の変化を観察する。その上で、変化や機能を促す中医薬の成分を選び出す。

 曙光病院肝病研究所では、これまでに骨髄幹細胞を移植した肝硬変の動物モデルに対して中医薬を導入し、骨髄幹細胞の肝臓への分化の研究を行っており、すでに一定の成果が見られという。このことから、中医薬の複合方剤が、肝硬変時に肝臓内で骨髄幹細胞が各種細胞への分化に影響をもたらす可能性があることが発見されている。

 今回の両者の合作により、今後さらなる発展が期待され、中医薬の新たな研究分野を開拓するとして期待が集っている。(2009年4月記 新華社3月26日 上海中医薬報 藤田 康介)

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