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中国で増加傾向にある民間系の中医医療機関

 中国で医療機関と言えば公営のものが大部分だが、近年、民間系の中医医療機関も増え始めている。中国政府の統計によると、2009年現在、民間運営されている中医医療機関は3.2万軒で、4.33万人の中医学の医師(中医師)が働いている。この3.2万軒という数字は、西洋医学も含めた民間医療機関の35.93%を占める。さらに民間中医医療機関の年間外来患者数は1.41億人に達し、中国の医療のなかで無視できない存在になりつつある。ただし、この大部分は個人経営の小規模診療所で、全体の95%を占めており、一定の規模をもつ中医診療所や、民間の総合中医病院はまだまだ少ない。患者の民間中医医療機関の利用状況は,のべ1.41億人が外来を利用しているのに対して、入院患者はのべ72.6万人に過ぎない。

 こうした民間中医医療機関のありかたも、近年徐々に変化が見える。特定の疾患に特化した中医専科医院の出現や、中医薬局などに併設される中医坐堂医診療所などがそれだ。
 公営の医療機関と違って、民間の中医医療機関は、一般に伝統の継承や中医学の特色を発揮することに留意しており、卓越した治療成績を残す医療機関もあり、現地政府から補助を受けるケースも出始めている。たとえば、広東省では、条件に当てはまる民間中医医院に対しては、救急医療のネットワークに加入させている。民間の中医医療の進展は,患者サイドからしても、医療の選択の幅が広がるというメリットがある。
今後は民間系の中医医療機関も、単なる医院としてではなく、研究・産業・貿易・国際交流など多方面にわたる医療集団として発展してゆくにちがいない。

 といはいえ、まだまだ中国では制度的にも民間医療機関に対するサポートは少なく、公営病院と同等の待遇を受けているとは言い難い。決定的なのは、公的医療保険が使えない点だ。さらに、経営や医療行為に対する管理監督も不十分なのが現状で、まだまだ課題が多い。しかし、自由な発想で診療ができる中医学の民間医療機関にも十分にチャンスがあり、今後の発展が期待される。(藤田 康介)

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