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中医薬の中台交流,さらなる深化

――大陸の中医薬代表団が台湾を訪問――

  『人民網』(4月26日付)は,4月26日,台北市において,今回で3回目となる「両岸中草薬産業協力・交流会議」(「第3回両岸中草薬合作及技術交流論壇」)が開催され,大陸から,衛生部副部長・国家中薬管理局局長の王国強氏が 60名からなる代表団を率いて参加したと伝えた。会議は,台湾の工業技術研究院と大陸の中華中医薬学会,国家中医薬管理局対台港澳中医薬交流協力センターによる共催。


  近年,中台間の経済交流が活発化している。その中核となるのが,2008年に台湾経済部が提起し,中国側がそれに呼応する形で始まった「搭橋専案」(両岸架け橋プロジェクト)だ。従来の民間レベルの交流とは異なり,中台両政府の支援のもとで推進されている点が特筆される。「搭橋専案」は,中台間の「産業協力・交流会議」の開催を通じて,中台間の産業協力体制を構築しようという試みである。中台が共同で産業協力のプラットフォームを構築し,新たなビジネスの機会を創出し,市場開拓を進めていくことを目的としたプロジェクトであり,開始以来この3年間で拡大,深化の一途をたどっている。
  対象となる産業は,中台間で相互補完関係にあり,ウイン・ウイン関係を構築可能な業種から選定され,太陽光発電,通信,情報サービス,バイオなど多岐にわたるが,この一連のプロジェクトの口火を切ったのが,中医薬産業であった。「搭橋専案」では,1年目は交流をはかり,2年目は協議を進め,3年目には事業を開始することを目標に定めているが,そのスケジュールからいえば,2008年12月から始まった中医薬の「両岸中草薬産業協力・交流会議」は,今年,実行を求められる3年目にあたる。


  『人民網』によると,王国強氏は会議において,中台双方の中医薬界,産業界,科学技術界,教育界の一致した努力のもとで,中台双方の中医薬協力は実質的に進展したとの認識を示したという。さらに『台湾海峡両岸の医薬衛生の協力合意』を締結することによって,中台双方の中医薬の交流と協力において貴重な発展のチャンスが生み出され,双方が機会を捉えて,中台の中医薬,ひいては世界の中医薬の革新と発展を推進することに期待を込めたという。
  午前は,中台双方 の十数人の専門家が主旨講演と学術報告を行って,研究成果を発表して,中台協力の成功例を分かち合い,午後は,中台中医薬作業推進グループによる会議(非公開)が開催され,『台湾海峡両岸の医薬衛生の協力合意』における具体的な事項について意思疎通をはかり,さらに中医薬の科学研究,産業,臨床試験および中薬の品質の安全性について重点的に推進することについて協力する意向に達した模様だ。


  今後,「搭橋専案」のさらなる進展によって,中医薬分野においても,産業面はもちろん,医療面,教育面,研究面や,標準化の面において中台間の関係強化が進むと見込まれ,その動向が注目される。

(編集部)

 
 *「搭橋専案」に関する参考資料
http://www.japandesk.com.tw/pdffile/169all.pdf
http://www.mizuho-ri.co.jp/research/economics/pdf/report/report10-0317.pdf

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