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清熱化湿法を主とした中西医結合治療は膵臓がんに有意義

1割の膵臓がん患者が生存3年を超える


  先ごろ,2011年度の中国中西医結合学会科学技術賞の発表があり,復旦大学附属腫瘤医院の劉魯明氏と于尔辛氏が,清熱化湿を主とした中西医結合治療による膵臓がんの臨床応用の研究で一等賞を獲得した。この研究は,膵臓がんの病機は「脾虚気滞」であるとする従来の伝統的な認識を打ち破り,「湿熱蘊結」を中心とした病機理論を提起・検証して,膵臓がんの病機理論をより完全なものとしたものである。
  膵臓がんの予後はきわめて悪く,人類の健康に深刻な影響を与えている。プロジェクトはこの十数年の研究成果を総括したものであり,全国的な名老中医・于尔辛氏による悪性腫瘍の学術思想を継承して,革新的に提起された「湿熱蘊結」を核心とした膵臓がんの病機理論の仮説を立て,「清熱化湿」を主要な法則とした膵臓がん治療を確立したものである。清胰化積方(QYHJ)(白花蛇舌草・半枝蓮・蛇六谷・絞股蘭・白豆蔲などからなる)を主とした総合的な治療を確立し,めざましい効果をあげ,さらにこの処方のおもな標的を見出した。
  1500数例の患者の臨床研究を通じて,明らかになった結果は次のとおりである。治療群の1年生存25%,3年生存14.1%,5年生存8.4%であり,生存期間中央値は7.6カ月であった。QYHJ群64例には腫瘤を残したまま5年以上生存する者が7例あり,そのうち最長の者は106カ月に及ぶ。対照群より顕著に優れており(報告されている膵臓がんの5年生存率はわずかに2~5%にすぎず,腫瘤を残したまま3年以上も生存している報告は稀である),QYHJ方を主とした治療は明らかに膵臓がんの患者の生存期間を延長させることができ,この病機仮説は統計学的にも証明されたものである。
  中国中西医結合学会の事務局長・穆大偉氏は,この研究は8%の末期膵臓がん患者が腫瘤を残したままでも5年以上生存できたことを示しており,報告されている5年生存率2~5%と比べても,これほどの割合で生存率をあげられる意義は非常に大きい,と紹介する。
  プロジェクトの成果はすでに8つの三級病院(高レベルの病院)で応用されており,第3者成果鑑定委員会はこの成果が国際的にも先進的なレベルに達することを認めている。


中国中医薬報[2012.4.12]

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