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2014年中医十大ニュース発表

 中国中医薬管理局新聞弁公室と中国中医薬報社が共同で主催している,2014年の中医薬十大ニュースが1月28日に発表された。審査にあたっては,「公開・公平・公正」という原則にもとづき,中医薬事業の発展に対する意義と社会的関心の高さを基準に,推薦・一次審査・最終審査などを経て,最終的に2014年中医薬十大ニュースとして選出した。


 1.  『毛沢東年譜(1949-1976)』で,中医薬事業に関する毛沢東の論述を初公表。衛生・中医薬業界に強烈な反響を呼ぶ


 中国共産党中央文献研究室が編集・出版した『毛沢東年譜(1949-1976)』全6巻が,このほど正式に発行された。『年譜』では,中医薬事業に関する毛沢東の重要な論述をはじめて全面的に発表しており,中国共産党中央文献研究室の韓洪洪氏が,今回の一連の研究と整理にあたった。『年譜』では,毛沢東が提唱した世界に対する中医の貢献度を高め,西洋医の中医研究を呼びかけるなど重要点を論述しており,現代の中医薬事業発展に対する重要な指導的役割を果たしている。


 2. 第2回国医大師を表彰。国務院の劉延東副総理が国医大師の代表と会見,重要講話を発表


 人力資源社会保障部・国家衛生計画生育委員会・国家中医薬管理局が合同で行った,第2回国医大師表彰会が10月30日に行われ,干祖望ら29人の中医薬専門家が,中医薬事業の発展に大きく貢献したとして「国医大師」の栄誉ある称号を得て,(昨年逝去したウイグル医の)ユースフ氏(中国名:巴黒・玉素甫)も国医大師の称号を追加授与された。中国共産党中央政治局委員であり国務院・副総理である劉延東氏は,表彰会に先立ち国医大師の代表と会見し,中医薬は中国独自の医療資源であると同時に,巨大な潜在力をもつ経済的資源でもあり,さらに,優位性をつくり出す科学技術資源・優秀な文化的資源・重要なエコロジー資源でもあって,この5種類の資源を有効的に発掘・活用することが,現実的かつ長期的な重要意義をもつと話した。 


 3. 中医薬改革の全面的深化を進め,総合改革試験区の構築を加速して,複製・推進可能な実績を形づくる


 国家中医薬局は,中医薬改革作業を全面的に進めることを推進しており,4月に改革深化リーダー班を組織し,改革の全体思想および2014年の作業プランを打ち立てた。また8月には,「中医薬総合改革試験区作業推進に関する指導的意見」を提案,12月には国家中医薬総合改革試験区設立作業経験交流会と,第3回国家中医薬改革発展上海フォーラムを実施。中医薬事業の発展体制の問題を取り除く理論的根拠と実践の経路を模索し,中医薬改革発展に立ちふさがる問題を研究して,推進・複製が可能な経験の獲得を打ち出した。またこれと同時に,国家中医薬管理局中医薬改革発展専門家コンサルタント委員会を設立して,中医薬改革の発展に知識面での支えを提供した。これにより,中医薬の医療改革に対する効果が顕著に現れた。


 4. 『中医薬法』を公開し広く意見を求め,幅広い感心と熱い論議を引き起こす


 国務院法制弁公室は7月に,『中華人民共和国中医薬法(意見募集稿)』を公開し,広く意見を求めた。1983年に中医薬立法がはじめて提議され,31年という年月を経てついに最重点域に到達した。全国の多数の主要メディアがこのことを報道し,業界関係者や一般大衆から広く関心を集め,熱い討論を引き起こした。


 5. 『中国公民中医養生保健素養』を発表。「中国中医」のインスタントメッセンジャーアプリが正式開通し,養生の科学普及メディアが多様化


 国家中医薬管理局と国家衛生計画生育委員会が,5月に合同で「中国公民中医養生保健素養」を発表。大衆に向けた中医の養生・保健に関する基本的理念と知識の普及を試み,10月には中国公民中医養生保健素養調査を正式に開始した。また,国家中医薬管理局のオフィシャルインスタントメッセンジャーアプリ「中国中医」も正式に開始され,新たなメディアを活用して,大衆に中医薬の養生・保健知識を広める。この他,国家中医薬管理局と国家衛生計画生育委員会は,非医療機関および同機関従事者の禁止サービス項目およびその内容を明確にして,養生・保健市場の規範化をさらに進めた。


 6. 中医薬の国際的な影響力がさらに向上。ISOがはじめて中医薬国際標準を発表,WHO年次総会でも中国が発起人となった伝統医学決議が通過


 国際標準化機構(ISO)は2月に,ISO初の中医薬標準となる「単回使用滅菌鍼灸鍼」の国際標準を発表した。またその後も,「中医薬‐人参種子・種苗‐第一部分:アジア人参」「中医薬学言語システム語義ネットワークフレーム」「中医薬文献元データ」の3項目の中医薬国際標準を次々と発表した。さらに,5月に行われたWHOの第67回年次総会でも,中国が発起人となりマレーシア・韓国などが連名で提議した伝統医学決議が審議され通過したことにより,伝統医学の重要性と価値が再認識され,各メンバー国のWHO2014-2023年伝統医学戦略の採用・実施を促進させた。


 7. 中薬の安全性研究が国家科学技術進歩1等賞を獲得


 軍事医学科学院の高月研究員が行った「中薬の安全性における重要技術の研究および応用」プロジェクトが1月,2013年度国家科学技術進歩賞の1等賞を獲得した。本プロジェクトの受賞で,同賞における中医薬プロジェクトの受賞が3回目となった。本プロジェクトでは,中薬の安全性に関する研究の実験方法および技術プラットホームをはじめて系統的に構築し,中薬の毒性の分子生物学のメカニズムを提示して,毒性成分と薬物代謝酵素という角度から,中薬配合の「反」「不反」の本質を示した。これにより,中医薬の配合理論がさらに豊富で発展したものになり,新薬の研究・開発を支えて,中薬の現代的発展を促した。


 8. 民族医薬が,国家科学技術奨励工作弁公室の認可を経て初の科学技術賞を授与


 中国民族医薬学会と中国民族医薬教会が主催した,第1回民族医薬科学技術賞授賞大会が11月に行われた。民族医薬科学技術賞は,国家科学技術奨励工作弁公室の認可を経て登記した,民族医薬科学技術分野における唯一の賞であり,自然科学賞・技術発明賞・科学技術進歩賞・民族医薬産業開発賞・民族医薬伝承貢献賞・国際科学技術合作賞など,6項目の賞が創設された。


 9. 中医薬の医療観光・サービス貿易を推進し,中医薬健康サービス業界の発展推進を探求


 国家旅游局と中医薬管理局の署名協議が2月に行われた。両局は,各自の優位性を発揮し,協力体制を構築して,各レベルの観光機関と中医薬の全面的な協力を推進し,中医薬の医療観光の発展を共同で推進する。また商務部と国家中医薬管理局も,合同で中医薬のサービス貿易の発展を推進し,第1弾として19の中医薬サービス貿易企業を先行基幹企業(機構)とし,またサービス貿易プロジェクト8項目を先行重点区域として定めた。さらに5月に行われた中国(北京)国際サービス貿易交易会において,18のサービス貿易項目をその場で契約し,契約金額は約2億8,000万元となった。


 10. 医療・教育部門が共同で中医臨床医学人材養成改革を全面的に推進


 教育部・国家衛生計画生育委員会・国家中医薬管理局・国家発展改革委員会・財政部・人力資源社会保障部は6月,共同で「医療・教育共同臨床医学人材養成改革深化に関する意見」を発表し,臨床医学人材養成改革を全面的に始動させた。医教共同作業体制の構築をめぐり,国家中医薬管理局は教育部・国家衛生計画生育委員会など関連部門と連携し,各部門間およびシステム間の協力体制を強化した。これにより,卓越医師(中医)教育養成計画を始動させ,中医の入院医師養成の規範化を促進し,中医薬の教育機関・卒業後教育・継続教育を有機的に連携させた。また,中医薬の特色である一貫した師承教育という人材養成体系を,教育・衛生生育計画・中医薬が臨床医学人材養成改革作業を推進するうえでの新たな局面と位置づけた。


[中国中医薬報.2015.01.29]
翻訳:平出由子

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