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通巻130号(Vol.33 No.3)◇読みどころ


 

【読みどころ・その1】p60~65

読みどころ 歴代医家の説を整理し,現代に活かす。

 【新連載】中医病証の源流考 湿痺(姜徳友)


現代中医学の教材を開くと,まず中医病証の項目が立てられ,それぞれ,病名の由来から始まり,病因病機,治法,処方といった弁証論治が記載されている。
そこには,『内経』以降に中国伝統医学が積み重ねてきた経験と研究の成果が凝縮されている。しかしながら,病因や症状が複雑なため,歴代医家の見解がまちまちで,諸説が紛糾している病証も少なくない。
そこで今回から,そうした病証について歴代医家の説に再度検討を加えて分析,整理してゆく連載を開始する。現代での応用に役立つはずだ。
第1回は「湿痺」。この病名は「痺」「湿痺」「着痺」「風湿痺」「痛風」などと称されてきたが,近年では「風湿病」という用語に統一されている。ここでは,湿痺の由来,病因病機,治療法について,歴代医家の説を整理した。




 

【読みどころ・その2】p66~67

読みどころ 四診の重要な要素,「舌診」の成り立ちを探る。

 【新連載】舌診の成り立ち 舌診の萌芽~舌の生理と疾病との関わり~(梁嶸)

中国伝統医学には,「以表知裏」「有緒内者,必形緒外」という考えがあるが,舌診は,まさにその考えを体現する診断方法の1つであり,脈診とならぶ疾病診断の重要な手段とされている。
しかし,舌診が中国伝統医学の重要な診断法として普及・使用されるようになるのは比較的遅く,16世紀(明代)に入ってからである。
むろん,舌と疾病との関わりについての記述は,『内経』をはじめ『傷寒論』や『緒病源候論』など多くの典籍に見られるが,診断法といえるものにはなっていない。
元代にはじめての舌診の専門書が現れるが,もともと外感病に対して使われていた舌診が,臓腑と結びつき内傷病への認識を深め,さらに西洋医学との融合を経て体系化され,現在のような形になるのは,清代以降である。
中国伝統医学の特色ある診断法の1つ,舌診の発展過程について全8回にわたって紹介する。




 

【読みどころ・その3】p130~135

読みどころ 日本の臨床に適合した穴性構築に向けて。

 穴性論 第3穴 内関

「理・法・方・穴・術」の一貫した鍼灸の弁証論治体系において,「法」に対応したツボの作用をどう認識し,整理してゆくかは,極めて重要な問題である。しかし穴性の概念の歴史は浅く,穴性を記した出版物は増えてきているが,いまだ統一化された見解を得られていないのが現状である。
本連載では,中国の資料を基礎にしながらも,それを鵜呑みにせず,日本での臨床経験から答えを導きだそうとしている点が眼目である。李昇昊氏の「集約的穴性論」は従来のように穴性を並べるだけの記述ではなく,ツボの作用を一つの流れのなかで捉えようとしており,これまでにない意欲的な試みといえる。
今回は,多彩な疾患の治療に用いられる内関穴を取り上げる。ここでは,内関の穴性を理気散渋と総括し,心絡の通暢,降逆,血海の調整に働くことで,清熱瀉火,止咳平喘などさまざまな効能が現れると考える。




 

【読みどころ・その4】p138~144

読みどころ 奇経八脈の理解を深めると鍼灸の応用範囲が広がる。

 李鼎教授の奇経八脈を用いた鍼灸治療経験(陳瑞瑩)

奇経八脈の応用範囲は非常に広く,また十二正経と交わる交会穴を難病治療に用いることで,予想以上の効果をあげることがしばしばあるという。
上海の李鼎氏のもとで臨床に就き学んだ著者が,李氏がどのように奇経八脈を用い,どのような配穴・取穴を行っているかをまとめたのが本稿である。李氏は,鍼灸古典研究の第一人者として名高く,李時珍が著した『奇経八脈考』を校注している(邦訳は東洋学術出版社から『現代語訳奇経八脈考』(勝田正泰訳)として刊行)。
ここでは,陰維脈・陽維脈の使い方として頭痛と胸悶の2症例,督脈の使い方として抑うつ状態の1症例,衝脈の使い方として奔豚気の1症例の計4症例を紹介する。
李氏は,奇経八脈を臨床応用するためには,その循行分布と主病を熟知し,交会穴を頭にたたき込んでおくことが不可欠だと強調しているという。


中医臨床 通巻130号(Vol.33-No.3)特集/老中医の魅力② 顔正華


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