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2019年02月06日

実践東洋医学[第3巻 臓腑理論篇] 本書を読むにあたって

 
本書を読むにあたって
 
 本書は,『実践東洋医学』全3巻シリーズの第3巻にあたる。本シリーズは,東洋医学の考え方にもとづく病気の見方・考え方を平易に解説したもので,チャート図や表を豊富に収載して視覚的に理解を助ける工夫をしたほか,適宜,症例を織り交ぜながら東洋医学の病態理論・方剤の解説を心がけた点に特長がある。
 第3巻では,まず臓腑一般の生理作用と病態について解説した後,肝・心・脾胃・肺・腎の各臓の生理と病態を紹介し,さらに臓腑合併の病態として,肝と脾胃,肝と腎,心と肺,心と脾,心と肝,心と腎,脾と腎,肺と肝,肺と腎を取り上げる。最後に,外感病の治療理論である傷寒理論と温病理論について概説を加えた。
 
【記号・符号の意味】
 † 巻末の「用語解説」に解説がある用語を示す。
 注 注釈を示し,符号を記した節の最後に解説がある。
 ※ 注釈を示し,記号のすぐ近くに解説がある。
 POINT 著者が特にポイントになると考えた箇所。
 原文 古典の引用。
 * 医療用漢方製剤にない方剤を示す。巻末に組成を示している。
 
【第1巻の章立て】
 第1章 総論
 第2章 東洋医学の診断方法
 第3章 主要症状の診断
      Ⅰ 全身症状
      Ⅱ 疼痛症状
      Ⅲ 月経異常
 
【第2巻の章立て】
 第1章 生理理論の基礎
 第2章 病態理論の基礎1
 第3章 病態理論の基礎2
 第4章 治療理論
 

『新・針師のお守り―針灸よもやま話―』

 
  まえがき


 『中医臨床』誌二〇一五年三月号(一四〇号)から二〇一八年十二月号(一五五号)まで掲載した「近況雑感」が本書に収録されている内容である。
 本書は章篇としては十五篇で、『針師のお守り』の四十一篇、『続・針師のお守り』の二十六篇に比べるといささか少ないのだが、表を多用した篇がいくつもあり、また個々の篇の文字数も前二冊に比べるとかなり増えており、分量的には前二冊とさして変わらないので、このへんで一冊にまとめておこうと思い立ったものである。
 各篇の表には長いものも多く、各篇の文中や文末に入れると読者が読みにくいのではと考え、一部を除き、附表として、巻末に横組みですべてまとめた。
 したがって、本文は縦書き、表は横組みとなり、巻末の附表は後ろから前に向かって見ていく形になっている。
 本書の特色は「東京中医鍼灸センター」、「お腹の治療」、「ビワの葉灸」、「肩の散鍼(単刺)」、「下の法」などの篇が盛り込まれている点であろう。なぜなら、これらの篇には、自分自身が長年多くの病気と向き合ってきたなかから創り出した鍼灸療法の考え方とその実際の治療内容が、具体的に示されているからである。
 ここで書かれた通りの鍼灸治療が、東京中医鍼灸センターでは現在、日々行われているので、本書を手に取られた鍼灸師、とりわけ鍼灸学校を卒業されて日の浅い方々が、ご自分の鍼灸治療において何らかのヒントを本書から得られるならば、本書を出版した目的はなかば達成されたといっていいであろう。
 なお誤解されないように一言、付け加えておくが、「近況雑感」もしくはそれと同様の雑文は、何らかの理由で筆を折らざるを得なくなるまでは、これからも『中医臨床』誌上に書き続けるつもりでいる。そして、もし筆を下した時点でそれがある程度のまとまった文量になっていれば、『完・針師のお守り』とでも題して、世に出そうと考えている。
 本書の出版に際しては、附表が多いことを理由に、東洋学術出版社の井ノ上編集長にかなり強引に成書化をお願いしてしまった。この紙面を借りて改めてお礼申し上げる。
 
 

二〇一八年十二月 東京猿楽町の地にて

浅川 要

2019年02月15日

『チャート式皮膚疾患の漢方治療』 本書の特徴

 
本書の特徴
 
 本書は,季刊『漢方と診療』誌(小社刊)に連載した「チャート式皮膚疾患の漢方治療」シリーズ(2013~16年掲載)をもとに,単行本にまとめ直したものである。
 本書の特徴は,以下の通りである。
 
●執筆者は,すべて豊富な臨床経験をもつ皮膚科の専門医であり,疾患の基礎概念,標準的な治療法などの解説がなされている。
●取り上げた疾患は,日々の臨床でよく遭遇するものばかりであるが,西洋医学的治療で十分な効果が得られないケースも多く,漢方による治療効果が期待できる疾患を選んでご執筆いただいた。
●単行本化するにあたっては,臨床現場からのニーズが多かった「老人性皮膚瘙痒症」「蕁麻疹」「掌蹠膿庖症」「扁平疣贅・尋常性疣贅(イボ)」「多汗症」の項目を新たに追加した。
●漢方処方の選択は難しいとされているが,フローチャートを用いることによって,4~6剤の基本的な処方の鑑別法を一目で捉えられるようになっている。
●症例紹介では,治療経過を辿ることで処方選択についての理解を深めるとともに,実際の症例写真により皮膚の症状と治療効果が確認できる。
●各疾患における漢方治療の位置づけ,代表的な漢方治療の方法,注意点,効果判定のポイントなどについても詳説されており,漢方の初学者にも理解しやすい。
 
 本書は,皮膚疾患の治療を通じて,漢方医学の基本的な考え方にも触れられるような内容になっている。皮膚科医だけでなく,他科の医師にも漢方入門書として役立てていただける一冊である。
 

『チャート式皮膚疾患の漢方治療』 執筆者

 
【執筆者】 五十音順
内海 康生(内海皮フ科医院)
大竹 直樹(海岸通り皮ふ科)
黒川 晃夫(大阪医科大学附属病院皮膚科)
武市 牧子(三愛病院総合診療科・外科)
田邊 惠美子(旭町診療所)
橋本 喜夫(JA旭川厚生病院皮膚科)
森原 潔(もりはら皮ふ科クリニック)
栁原 茂人(近畿大学医学部皮膚科学教室)
吉木 伸子(よしき皮膚科クリニック銀座)
 
 
 『漢方と診療』誌で本企画をスタートするにあたっては,武市牧子先生が2005年に発表された,フローチャートを用いた論文「痤瘡に対する漢方薬の実践的投与」(『漢方医学』)を参考にさせていただきました。
 ご多忙な中,本誌の企画趣旨にご理解をいただき,連載時にご執筆くださった先生方,また本書制作に際し,追加執筆を快くお引き受けくださった先生方に,心より御礼を申し上げます。
 

2019年 春
編集部

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