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▼『中医臨床』


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中医臨床 通巻156号(Vol.40-No.1) 特集/アレルギー疾患の中医治療

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中医臨床 通巻156号(Vol.40-No.1)特集/アレルギー疾患の中医治療 中医学のアレルギー疾患治療はどこまで来たか
【特集】アレルギー疾患の中医治療

アレルギー疾患の患者数は増加しており,わが国の全人口のおよそ2人に1人が何らかのアレルギー疾患に罹患しているといわれている。近年,アレルギー疾患の発症機序や悪化因子等の解明が進み,新たな治療薬や治療法が開発されるなどしているが,依然として根治に至らず長期的な対症療法を余儀なくされている患者も多い。本特集では,このような現状において漢方や中医学がどのように活かされ,何が期待されているのかを探る。
特集では,まず膠原病・アレルギーを専門にする滝沢健司医師に,わが国におけるアレルギー疾患に対する現代医学的治療と漢方治療の現状について紹介していただいたうえで,中医学ではアレルギー疾患をどう捉えどのように治療しているのかについて解説していただいた。さらに,臨床報告として木田正博医師に環境や生活習慣といった現代社会的要因に着目したアレルギー疾患の治療例を報告していただいた。
中国からは,中医学におけるアレルギー疾患治療の具体的な進め方について北京の仝小林氏の論文を,さらに北京の王琦教授の中医体質学の観点を加味した湯液治療ならびに針灸治療に関する論文をそれぞれ翻訳して掲載した。

定価 : 本体1,600円+税


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中医臨床 通巻155号(Vol.39-No.4) 特集/丹渓医学

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中医臨床 通巻155号(Vol.39-No.4)特集/丹渓医学 「雑病治療の祖」朱丹渓の医学に学ぶ
【特集】丹渓医学

現代中医学の直接のルーツは金元医学にあるといわれる。朱丹渓はそれを代表する一人だ。丹渓の医学の特徴は,大きく〈1〉気・血・痰・鬱の「四傷」学説,〈2〉「陽は余り,陰は足らず」説,〈3〉相火論の3つを提唱したことにある。特に陰精の虧損を重視し,滋陰降火法を創出したことから「滋陰派」に列せられる。
特集では,丹渓医学とはどのようもので,現代にどのように活かされているのかを探るため,朱丹渓の故郷・義烏と,丹渓医学の研究拠点がある杭州の現地取材を実施。
丹渓医学の学術研究の中心地・浙江省中医薬研究院の盛益秀教授には,朱丹渓の主要な医学思想の概要とそれが形成された背景,用薬の特徴,丹渓学派の系譜などについて話をうかがった。さらに丹渓医書を出典とする処方を運用した盛教授の経験として,二妙散・痛瀉要方・大補陰丸・越鞠丸の応用例を紹介した。
また朱丹渓から数えて22世代の子孫にあたる朱鋭明教授(義烏市中医医院)には,地元・義烏における丹渓医学の継承の様子などについて話をうかがった。
さらに丹渓医学は中医学の形成に多大な影響を与えただけでなく,わが国の伝統医学にもその影響が及んでいる。後世派の祖・曲直瀬道三の代表作とされる『啓迪集』には『玉機微義』『医学正伝』『丹渓心法』など丹渓学派の著書からの引用が非常に多く,曲直瀬流の医学を丹渓学派の流れを汲むものと位置付けることもできる。そこで,曲直瀬流医学の伝承に詳しい二松學舍大学の町寿三郎先生に,丹渓医学が曲直瀬流医学にどのように取り入れられ,広がっていったのかについて寄稿していただいた。

定価 : 本体1,600円+税


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中医臨床 通巻154号(Vol.39-No.3) 特集/傷寒と温病の統一 ~紹派傷寒~

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中医臨床 通巻154号(Vol.39-No.3)特集/傷寒と温病の統一 ~紹派傷寒~ 温病を融合した紹興の『傷寒論』
【特集】傷寒と温病の統一 ~紹派傷寒~

『傷寒論』はすべての外感病の治療書であるが,傷寒に詳しく温病については簡略であったため,後世,その不足を補う形で温病学が発展したとされる。温病学では衛気営血弁証や三焦弁証といった温病治療のための新しい方法論が提起されたが,張仲景の打ち立てた六経の枠組みのなかで温病を含むすべての外感病の治療方法をまとめたのが「紹派傷寒」であった。そのため傷寒と温病の統一を果たしたとされる。
特集では,今春取材した浙江省紹興の取材記事と,紹派傷寒の治療経験を抜粋して掲載した。取材記事では,紹派傷寒を専門に研究している紹興市中医院の沈元良教授に紹派傷寒の特徴や現代中医学に与えた影響などについてお話をうかがった。また,紹派傷寒は中国江南地域に位置する紹興の風土や環境の影響を強く受けて発展してきた医学流派である。そこで越医文化を専門に研究している紹興市中医院の沈欽栄教授に,越医隆盛の背景となった越文化の特徴や,紹興が生んだ医界の巨人・張景岳についてお話をうかがった。
紹派傷寒は,張景岳の『景岳全書』傷寒典を端緒に,兪根初の『通俗傷寒論』で基礎が築かれ,その後,浙江省紹興の地の医家がその医学を継承・発展させていった。紹派傷寒の医家は数多くいるが,ここでは紙幅の都合で,沈元良主編『紹派傷寒名家験案精選』(中国中医薬出版社・2016年刊)より,張景岳・何廉臣・祝味菊・曹炳章・徐栄斎の医案を取り上げ紹派傷寒の臨床の一端を紹介する。

定価 : 本体1,600円+税


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中医臨床 通巻153号(Vol.39-No.2) 特集/補剤を再考する

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中医臨床 通巻153号(Vol.39-No.2)特集/補剤を再考する 単に補うだけでない補剤の中身
【特集】補剤を再考する

中国伝統医学は西洋医学のように病因を取り除く(瀉法)だけでなく,人体の不足を補う(補法)ことによって治療する方法をもつ点に大きな特徴がある。具体的には正気の不足である虚証を改善する補益薬を主体にした補剤を有する点である。
補剤は正気の不足を改善する方剤であるが,各補剤の組成を見てみると単に「補う」だけの生薬から成っているわけではないことがわかる。たとえば,補気の基本方剤である四君子湯には滲湿の茯苓が,補血の基本方剤である四物湯には化瘀の川芎が,補陰の基本方剤である六味地黄丸や補陽の代表方剤である八味地黄丸には滲湿の沢瀉・茯苓,涼血の牡丹皮が含まれ,いずれも補法のなかに瀉法が含まれており,補いながらも邪を留まらせない工夫が凝らされている。一口に補剤といっても,単に補うだけの薬だけでは十分には補えず,異なる働きをもつ生薬と組み合わせることで,病態に合った働きをしている。
そこで特集では,
〈1〉方剤解説:方剤の構成生薬をつぶさに観察すると,中医理論にもとづく「組み合わせの妙」が浮かび上がってくる。代表的な補剤について,菅沼栄先生に解説していただいた。
〈2〉理論解説:補益法による内傷病の治療は,歴史的に温補派がその理論を深化させ,用薬法を発展させてきた。薛己・張景岳・趙献可を取り上げ,小金井信宏先生にその理論や方法について解説していただいた。
〈3〉がんと補剤:発がんの基礎は正気の不足と考えられているため,がん治療の多くで補剤が使用されている。がん治療で使われる補剤について,鄒大同先生に中国における最近の研究動向を中心にレビューしていただいた。
〈4〉臨床上のポイント:臨床において補益法を用いる際のポイントや注意点などについて,木田正博先生に成書を引用しつつご自身の考えを交えて紹介していただいた。
〈5〉補薬解説:補剤の主薬となる補薬について,陶惠寧先生に解説していただいた。

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中医臨床 通巻152号(Vol.39-No.1) 特集/『金匱要略』を読もう

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中医臨床 通巻152号(Vol.39-No.1)特集/『金匱要略』を読もう 『金匱』を読んで伝統医学の発想を丸ごと知ろう!
【特集】『金匱要略』を読もう

『金匱要略』は「傷寒・金匱」と並び称され,『傷寒論』と一体不可分の最重要経典の一つとされている。それにもかかわらず,日本では『傷寒論』ほど熱心に読まれてこなかったのはなぜだろうか? 一方,中国においても,『金匱』は『内経』『傷寒論』と並ぶ重要経典として位置付けられており,現代の大学教育においては『金匱』を専門にした課目があるほか,各地には『金匱』を専門に扱う研究室もある。一般に日本においては「中国では経方は軽視されている」とみる向きもあるが,教育の広がりと研究の厚さはやはり侮ることができない。
そこで本特集では,現代中国における『金匱』研究の第一人者である故・何任先生の娘であり学術継承者でもある何若苹先生と,若い頃から長期に渡って学術秘書として何任先生のもとで学ばれた范永升先生(前・浙江中医薬大学校長)に,何任先生の学術を総括していただくとともに,その学統がどう継承されているのかについてお話をうかがったので,そのインタビューを掲載した。
一方,日本からは『金匱要略も読もう』の著者・髙山宏世先生に『金匱』の魅力や学び方についてお話をうかがったインタビューを掲載した。このなかでは「『金匱』が『傷寒論』に比べて熱心に読まれてこなかったのはなぜか?」という問いかけに対しても,先生の見解をお示しいただいた。もちろん日本において『金匱』が読まれてこなかったわけではない。特に近世(江戸期)においては優れた注解書も出ており,これらは当時の日本の医療水準が高かったことを物語っている。こうした日本における『金匱』受容の背景を押さえておくために,小曽戸洋先生に江戸期の重要文献を紹介していただいた。

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中医臨床 通巻151号(Vol.38-No.4) 特集/聴覚障害の中医治療

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中医臨床 通巻151号(Vol.38-No.4)特集/聴覚障害の中医治療 鍼灸と漢方をともに活かす
【特集】聴覚障害の中医治療

難聴は障害部位によって,外耳や内耳の障害による①伝音難聴と,内耳の感覚細胞から大脳まで音を感知する神経の障害による②感音難聴,さらにその両方の障害を伴う③混合性難聴の3つに大別される。
漢方では,伝音難聴では反復性中耳炎の予防面で,感音難聴では突発性難聴・耳鳴など,また聴覚症状に随伴して起こることの多いメニエール病などに対して使われることが多い。耳局所だけでなく,患者の証に応じた全体を治療することで現代医学治療にない効果を発揮する点は,他領域と同じである。また耳は五臓すべてと密接に関係していることも重要なポイントである。
本特集では,金沢大学附属病院 漢方診療科の小川恵子先生にインタビューを行い,わが国における難聴に対する漢方治療の現状やご自身の臨床についてお話をうかがった。標準治療が確立されている耳科領域だが,漢方だからこそできる役割のあることが明確に示された。また,耳疾患は鍼灸が奏効することの多い領域でもある。近年,特に耳管開放症の鍼灸治療に力を入れ,手応えを感じているという藤井正道先生に,本症に対する治療経験をまとめていただいた。中国においても難聴の中医治療の経験が積み重ねられており,特に中医耳鼻喉科学の第一人者である南京の干祖望先生の経験に学ぶ意義は深い。その他,朱良春先生,李振華先生,秦亮甫先生,路志正先生といった現代中医を代表する老中医の経験についても紹介した。

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中医臨床 通巻150号(Vol.38-No.3) 特集/皮膚疾患の中医治療

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中医臨床 通巻150号(Vol.38-No.3)特集/皮膚疾患の中医治療 中医学の智恵を日本にどう活かすか
【特集】皮膚疾患の中医治療

皮膚病に対する中医の認識は局所に限定せず,体全体に着眼した点が特色であり,多くの皮膚病は,整体病変が引き起こしたか,整体機能の異常が関係していると考えている。そのため治療においては,他科疾患と同様に弁証論治が重視されるが,皮膚病では病変部位を視認できるため,「皮膚症状と体全体を結びつけた診断」という皮膚病特有の観点を有することが中医皮膚科学の大きな特徴である。 治療方針は,大きく(1)慢性の皮膚病には瘀を治療する,(2)去邪では邪に出口を与える,(3)養血滋陰で乾燥肌を潤す,(4)健脾益腎法を用いる,(5)調和気血法を用いる,(6)調和陰陽法を用いる,といった点から進められることが多い。
特集の冒頭では,北京で現代の皮膚科名老中医・朱仁康氏に師事した経験のある平馬直樹先生に「中医皮膚科学の智恵を日本の臨床にどう活かすか」をテーマにお話をうかがったインタビュー記事を掲載。皮膚病に対する弁証論治の進め方をわかりやすく解説していただいた。総論では楊達先生に皮膚病に対する診断手順と治療について総合的にまとめていただいた。中国の名老中医の経験としては,広東省(嶺南地域)と四川省それぞれを代表する中医皮膚科名医の経験を翻訳掲載。広東省からは補腎法を重視する禤国維教授の学術と臨床経験,四川省からは皮膚病変でよくみられる紅斑鱗屑性の皮膚病に対する艾儒棣教授の治療経験を紹介した。


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中医臨床 通巻149号(Vol.38-No.2) 特集/薬局における漢方・生薬製剤の中医学的運用(後篇)

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中医臨床 通巻149号(Vol.38-No.2)特集/薬局における漢方・生薬製剤の中医学的運用(後篇) 薬局漢方の魅力
【特集】薬局における漢方・生薬製剤の中医学的運用
 (後篇)

前号に引き続き,薬局における漢方・生薬製剤の中医学的運用について取り上げる。
現在,わが国では一般用漢方処方として294処方が承認されており,薬局では一般用医薬品(OTC)としてそれに含まれる漢方製剤のほか,294処方以外および中医学処方を由来とする生薬製剤などが販売されている。これらの製剤のなかには医療用にはない種類や剤型のものがあり,ユニークな方剤も少なくない。
冒頭の座談会では,再び猪越英明先生・毛塚重行先生・今井太郎先生にお集まりいただき,前号に引き続き,一般用漢方・生薬製剤の運用において中医学の知識がどのように活かされているのか,また中医学的に活用することにどのような意義があるのかを示す。さらに各論として生活習慣病・アレルギー性疾患・自律神経系疾患などを取り上げてお話いただいた。処方解説では,前回同様,深谷彰先生に生活習慣病・アレルギー・自律神経系で応用されるものとして,7処方を選択していただき解説を加えていただいた。

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中医臨床 通巻148号(Vol.38-No.1) 特集/薬局における漢方・生薬製剤の中医学的運用(前篇)

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中医臨床 通巻148号(Vol.38-No.1)特集/薬局における漢方・生薬製剤の中医学的運用(前篇) 薬局漢方の魅力
【特集】薬局における漢方・生薬製剤の中医学的運用
 (前篇)

わが国は社会の超高齢化に伴い,生活習慣病を始めとした慢性疾患が中心となる疾病構造にシフトしてきている。これを受け,近年はセルフメディケーションの考え方が叫ばれるようになってきた。漢方薬はそんなセルフメディケーションを支える最も有力なツールの1つであろう。また,漢方相談を行う薬局は,健康寿命の延伸や予防に関心をもつ国民のニーズに応えることができ,セルフメディケーションを成立させるうえで重要な役割を担うことが期待される。
漢方薬局で購入できる漢方薬には,煎じ薬と製剤化されたものがあるが,本特集では製剤について取り上げる。OTCとして流通するものには,医薬品分類上,大きく漢方製剤と生薬製剤(その他,一部瀉下薬等に含まれるものもある)がある。漢方製剤とは漢方における伝統的な煎剤・丸薬・散剤などの処方のなかで,一般用漢方処方として承認されている294処方に含まれるものを製剤化したものである。一方の生薬製剤は,漢方医学の考えによらず,生薬単味あるいは複数生薬を配合して製剤化したものである。薬局では漢方製剤以外に294処方に含まれない漢方処方や中医学処方を製剤化したものも販売されており,これらは顆粒だけでなくエキス抽出したペースト状の膏剤や煉蜜などで練り上げた丸剤などさまざまな剤型のものがあり,一般に生薬製剤に分類されているものが多い。一般用漢方製剤には温胆湯・黄耆桂枝五物湯・黄連阿膠湯など医療用製剤にない処方が多くあり,さらに薬局では中医学処方を中心に動物生薬を含む製剤も取り扱われている。鹿茸・蛤蚧・冬虫夏草などを含む処方で,植物生薬だけでは足りない部分を補えるユニークな製剤があり,選択肢の幅は広い。
本特集では,「漢方薬局では漢方・生薬製剤はどのように活かされているのか」をテーマにした座談会(猪越英明先生・毛塚重行先生・今井太郎先生)を中心に構成した。総論として漢方薬局にはどのような役割が期待されているのか,という点にスポットを当て,さらに薬局での運用経験・お考えなどについてお話しいただき,各論では領域が多岐に及ぶため,今回は婦人病と皮膚病に絞って取り上げた。

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中医臨床 通巻147号(Vol.37-No.4) 特集/老年症候群の中医治療

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中医臨床 通巻147号(Vol.37-No.4)特集/老年症候群の中医治療 中医学の智恵を高齢者の健康増進に活かす
【特集】老年症候群の中医治療

日本では2025年には75歳以上の後期高齢者が2千万人を超えるといわれている。2015年の日本人の平均寿命は83.7歳で世界首位を維持しているが,健康寿命は男性で約9年,女性で約13年平均寿命より短いとされており,この要介護状態でいる期間をいかに減らすかが喫急の課題であるとされる。
老年症候群(geriatric syndrome)とは,「高齢者に多くみられ,医療だけでなく介護,看護が必要な,症状や徴候の総称」と定義される。教科書では,少なくとも50以上の老年症候群があげられており,大きく①廃用症候群関連(ADLの低下・骨粗鬆症・椎体骨折など),②慢性疾患関連(認知症・脱水・麻痺など),③急性疾患関連(めまい・息切れ・腹部腫瘤など)の3つに分類される。
こうした疾患の背景は複雑かく多岐にわたるが,近年,日本老年医学会が従来の「虚弱」に代わって表すことを提唱しているフレイルの概念が重要である。フレイルとは,加齢に伴うさまざまな機能変化や予備能力低下によって健康障害に対する脆弱性が増加した状態とされている。中国の中医学では,臓腑・気血・陰陽の虚衰がフレイルの原因だとされているが,とりわけ先天の本である腎と,後天の本である脾の虧虚がポイントであると考えている。フレイルの弁証論治はいまだ定まっていないが,フレイルは「しかるべき介入により再び健常な状態に戻るという可逆性が包含されている」とされており,介入可能な病態であることから,中医学の智恵が高齢者の健康増進に役立つことが期待される。
本特集では,認知症のBPSDに対する抑肝散の有効性をみた研究で知られ,中医学の造詣が深く,高齢者に対する漢方治療経験が豊富な岩崎鋼先生に「高齢者医療における漢方・中医学の役割」をテーマにお話をうかがったインタビュー記事を冒頭に掲げ,さらに「中医学ではフレイルをどうみるか」について中国の雑誌文献を翻訳掲載した。また老年症候群の具体的な治療例として,慢性めまい症について入江祥史先生に,尿失禁と頻尿について田中耕一郎先生にそれぞれ寄稿していただいた。最後に中国の国医大師・張琪教授の認知症治療の経験について翻訳掲載した。

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